返してください、私の記憶IV

64:ボロボロになった姿。 ページ5

中原中也said





先刻Aが会長の元へと走って行った。





中原「待てっ！」





そんな声は届く事なく、その場に響いた。


此処に居る敵は合計で8人。


殺し屋5人と目の前に居る3人だ。





中原「与謝野、太宰。手前等には此奴等任す。俺と人虎に殺し屋は任せろ」





与謝野「嗚呼、分かッたよ」





太宰「中也、ヘマしないでね」





中原「はッ、当たり前だろ」





俺が人虎の所へ向かうと同時に、藤巻と横光が攻撃を仕掛けて来た。


タフネスが持ち前の人虎は異能力を使って回復、腕と足を虎化していた。


今にも敵に喰らいつきそうな顔付きだった。





中原「3人目任せる。俺は2人殺ってAの方に向かう。3人片付いたら太宰等の所行け」





中島「はい！」





人虎は走り出し、俺は殺し屋の所までゆっくり歩き距離を縮める。


そして少しだけ殺し屋に触れ、スグに距離を置く。


異異能力で重力操作をし、重たくし床を壊す勢いで手を下げる。


スグに殺し屋2人は血を飛び散らせ潰れた。


後は探偵社共に任せ、俺は地下まで走る。


廊下の置くから声が聞こえてくる。


階段を駆け終わると其処には異様な光景が広がっていた。






中原「何だこの数はァ?!」





真逆この数相手にA1人で戦ってんじゃッ……！


俺は異能力は使わず1人ずつ殴っていく。


鼻の骨を余裕で折る位の力はある筈なのだが、血を出すしたり倒れたりするだけで死なない。


倒しても倒しても起き上がってくる。




中原「真逆此奴等全員ッ!!」



あのタキシード野郎か会長が主犯か……


タキシード野郎であれば太宰が上で少しでも触れば此奴等は普通に死ぬ。


が、会長だった場合と触れなかった場合永遠に此奴等は蘇る。


つまりは、これは異能力だ。


人を蘇らせる事の出来るチート異能力。


だから、藤巻と横光も生き返っていた。


一番心配なのがAだ。


この数相手に女1人何て敵う訳が無い。


と、その瞬間廊下に青い光が轟いた。


敵全員が跪いた。


嗚呼、Aが異能力を使ったのか。


その通りで、長い廊下に容姿がまるで変わったAが立ち尽くしていた。


Aは此処から見ても傷だらけで、頭から血を流して、髪もドレスもボロボロ、嘔吐したのか床も汚れていた。


俺は敵を退けながらAの元に向かい走り、抱きしめた。





『頑張ったよ……？』





中原「嗚呼……」





こんな姿になる迄頑張ったAを見て酷く心が傷んだ。

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