3150組と私。 (ページ37)

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「ここなら多分わくこないし誰も来ないから。」

『う、うん』

「教えてあげるよ。どこが分からないの。」

『え、えっと……』

内村は昼休みが終わるまでずっと私に付きっきりで数学を教えてくれた。

(案外いい人なのかも…。)

「あー、えっと、Aだよね？名前って」

『う、うん。内村くんは次体育じゃないの？もう行かなくていいの？』

「別に今日体育休むつもりだったし。」

『えっ、なんで…？』

「わくが休むって言ってたから俺も休むの。」

『わく…さんと仲がいいんだね。』

「うん。当たり前だよ。」

私は、内村の冷たい態度にどのような接し方をすればいいのか迷っていた。

(勉強教えてくれたのに、仲良くなれなかった…。なんでこんなに冷たいんだろう…。私のこと嫌いだからかな…。)

『もうそろそろ昼休み終わるから私行くね。』

『内村くん、ありがとう。内村くんのおかげで今日の数学乗り切れそうだよ〜。』

私が笑顔でそう言うと、内村は顔を真っ赤にして言った。

「は、早く行ってよ！」

『う、うん』

私は素早く逃げるように図書室を出た。

(怒らせちゃった…。どうしよう。)