寝かしつけ ページ5
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檜山side
「わっくんー。」
と楽屋の扉からぴょこっと出てきたAの顔。
「どした？湧ならトイレ行ったけど」
「ねむ、」
「あー、眠いの？」
ジャニワの昼公演と夜公演の狭間。
「もうちょいで帰ってくると思うからここいな？」
手には握りしめた犬のぬいぐるみと白色のブランケット。
着ているパーカーは湧のだし、眠いと言いながらも湧のエアベッドに寝転んだAの目はぱっちりだ。
足音が聞こえて、楽屋のドアを見ると湧が戻ってきた。
「あれ、Aちゃんおねむですか？｣
「んー、わっくんいないと寝れない」
そう聞いた湧はなんとなく嬉しそうで、Aにブランケットをかけて、隣に寝転ぶ。
そのまま、Aのお腹あたりをとんとんし始めて、
さっきまでぱっちりだったAの瞼がどんどん下がって、
5分もしないうちに眠りにつくA。
「お、寝た。」
「電気消そうか？」
「あー、お願いしてい？起きた時フラッとしちゃうかもだから」
電気を消すと、「俺も寝るわ」って
Aと同じブランケットに入って腕枕して抱きしめる湧。
普通なら突っ込むのかもしれないけど忍者からしたらこの兄妹のこの距離感は普通。
昔から、湧の後ろにずっと着いてて、一時も離れようとしなかったA。
そんなAのことが可愛くて仕方ないのかでろでろに甘やかした湧の元に誕生した何も出来ないお姫さま。
湧のこと大好きっ子なおかげで、湧がいないと落ち着きがないし、寝付くのに1時間はかかるこの子に手を焼くのは俺らで、
もうちょい独り立ちして欲しいとは思うけど、結局甘やかしちゃうのも俺ら。
「わくー、そろそろ起きないと、」
「んー、はよ」
「A起こそうか？」
「おれ起こす、」
って頭撫でてるけどそれじゃ寝ちゃうよと思いながら、
「A起きて、」
愛しいものを見るような目でAのことをトントンして起こしてる湧ははたから見たら兄じゃなくて彼氏で、ちょっとだけこの2人の関係性が分からなくなる時がある。
「んー、わっくん、」
寝たまま湧の腰に巻きついてお腹に顔を埋めてるA。
「そろそろ起きないと、」
「んー、｣
「ほら、」
結局抱き上げて、「A楽屋に連れて帰るわ」って
楽屋を後にする元木兄妹。
やっぱお似合いだよな。
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作者名：にゃん | 作成日時：2023年3月6日 19時
