なくしもの ページ9
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皇輝side
「こきくんー、けいたいない」
焦る様子もなく携帯ないと何故か俺に報告しにきた、
元木Aちゃん(3)。俺には3歳に見える。
「またなくしたの！！？」
「どっかいっちゃったー」
あまり携帯を弄るくせがないからか無くなってから気づくのも遅いA。
「どっかいっちゃたじゃないでしょ！」
「だって最後触ったの覚えてない」
それだけ言うと次は何故かどこかへ行こうとする。
「ちょ、ちょ待ってまって」
「んー？」
「探そう？俺も一緒に探すから、ね？」
「はーい」
って分かってるのかわかんないような返事が返ってくるけど
とりあえずAの携帯を鳴らしてみる。
「鳴らないねー」
最初はキョロキョロと探していたけど少ししたら飽きたのか、
寝てる織山の背中に頭を預けてるA。
完全にいつものコース。結局俺が探す羽目に。
でも本当に今日は音が鳴らない。
いつもなら携帯を鳴らせばAのポッケに入っていたり、
かばんから普通に出てくるのに。
「Aー、最後にどこで触ったの？」
「んー、」
「ちょ、寝ないで！？」
織山の背中に頭を乗せて人肌を感じて暖かくなったのかうとうとし始めるA。本当にマイペースすぎる。
必死にひとりで楽屋の至る所を探すけど無くて少し心が折れかけていたら、
外から少し騒がしい声が聞こえる。と同時にガチャと開くドア。
撮影が終わったのか入ってきた湧と深田と檜山。
「あれ、A寝てる、」
「湧ー、A携帯ないって」
「あ！！皇輝くん鬼電しましたよね！？」
って深田のポッケから出てくる携帯。
「なんで！持ってんの！？」
「いや、撮影始まる時にAちゃんが持っててーって言われたんで持ってました！」
「まじか、めっちゃ探したんだけど！」
「なんか、ごめんなさい？」
なんか、俺もごめん？
とりあえずもう携帯は無くさないでください。
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作者名：にゃん | 作成日時：2023年3月6日 19時
