29 * side kiyo ページ31
あれからどれくらい経ったか。腕の中の温もりは相変わらずで、変わったことといえば俺の首にAの腕が回されていることくらい。
俺の服の肩はきっと濡れていて、それさえも安心感のきっかけになってしまうほどこいつが愛しい。
ほんとに、何で手放してしまったのか。後悔しかない。
キヨ「ただの独り言だから、聞かなくてもいいけど、」
こいつがどう思って泣いてるかなんて俺には到底分かりっこないし、こいつが違うってんなら違うのかもしれないけど。
俺が、伝えたいから伝えさせて。
キヨ「今日会った時一緒にいたのは高校ん時の友達。フジが東京にいるやつで飲もうってセッティングしてて、俺連絡適当に返してたら会場が俺の家になってて。んで、じゃん負けで買い出し行こうってなってあいつと行った時にAに会った。」
もっと伝えたいことはあるはずなのに、嘘っぽくなりそうで言葉選びに躊躇する。自分の不器用さにはとっくに呆れてる。
キヨ「だから、何もねえから。」
首元に埋められたAの頭を撫でる。相変わらずのさらさらな髪と、余計に鼻をくすぐった落ち着く匂いのおかげでなんか俺まで泣けてきそう。
A「随分、丁寧な独り言…ですね。」
キヨ「うるせえ。」
A「…安心、しました。」
結局、こいつを泣かしてたのはやっぱり俺みたいで、悔しさとか歯がゆさとか色々あるんだけど。
ただ、顔を上げたこいつが心底嬉しそうだから、そんなのどうでもよくなってしまって。
あ、反省はちゃんとするけど。
A「…怖いんです。」
キヨ「……？」
A「キヨさんがまた、どこか行っちゃうんじゃないかって。」
キヨ「っ、」
A「今日もずっと、不安でした。週末なのに連絡こないし、かと思ったら女の子といるし。…それに、可愛い子だし。」
だんだんと小さくなったAの声も、俺の耳にはちゃんと届いた。無意識なんだろう拗ねたような表情は、やけにあの頃より大人っぽく見えた。どうしよう、こいつ可愛すぎて困る。悶えるってこういうことだったのか…？
ていうか、お前のが可愛いじゃん。
A「でもね、これで許してあげます。」
その後に続いた言葉は俺にとって嬉しすぎるもので。やばい、今にやけてる自信ある。
ーー今日は泊まってってください。
キヨ「仕方ねえな、」
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ゆう - あーーーぜひ続きをぉ！最高ですぅ！ (7月17日 2時) (
レス) @page33 id: 296f8e7140 (このIDを非表示/違反報告)
星月_hosituki_ - あぁもう好きです。キヨさんがかっこい…！続き待ってます！！ (2020年3月8日 22時) (レス) id: d71fa0da5d (このIDを非表示/違反報告)
にぼし - とても素敵な作品ですね！これからも楽しみにしています！ (2018年10月20日 14時) (携帯から) (レス) id: 67b0752e5d (このIDを非表示/違反報告)
ぽる。(プロフ) - めちゃめちゃドキドキしながら読みました！！更新めちゃめちゃ楽しみにしてます！！！！ (2018年10月14日 8時) (レス) id: ea71c9b9a1 (このIDを非表示/違反報告)
あぉ(プロフ) - 好きです（突然の告白） (2018年10月8日 23時) (レス) id: f4c22e4712 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のの | 作成日時：2018年3月14日 1時
