24 * side kiyo ページ25
Aは本当にいいやつだと思う。
そして、つかめないやつでもある。
さっきまでしょげてたかと思えば、突然鼻歌を歌い出して喜んでいたり。怒っていたかと思えば笑い出したり。割と長い期間一緒に過ごしたと思うけれど、未だにわからない部分はたくさんある。
キヨ「まじで、どうしたらいいんだよ…」
Aを家まで送って、一人でまた戻ってきたこの部屋に寝転ぶ。結局Aと俺は昼過ぎに起きて、二人でスーパーに買い物に行って、昼飯作ってくれて、ゲームして、夕飯作ってくれて、今に至る。ご丁寧に食器まで洗って帰るところは相変わらずだと思う。こんなん、嫁にしたい女ランキング一位だろ。まあ二位以下はいないんだけど。
この二日間で実感したのは、やはりAが愛しいという感情で。だけど、一度手放したものを再び得るのは難しいことだとも痛感している。
「なぁ、本気で好きだからな。」
あいつの家まで送った時、別れ際に言った一言。再開した時のぎくしゃくは無くなって、まるで付き合ってた頃のように笑い合えるようになって。でもこのまま俺の気持ちを流されてしまうのは嫌だと思ったし、押せるだけ押そうと思った。Aは少し微笑んで、ありがとうと返した。でも分かるよ、あの笑顔は困った時見せる顔。別れた時もあんな顔してた。俺のこの気持ちは彼女にとって重みなのだろうか。
キヨ「…好きすぎる。」
久しぶりに近くで感じたあの体温が、本当に好きだ。Aはどんな感情でいたのか、それはわからないけれど、拒絶は…されなかった。
キヨ「…っ、」
ふと頭を撫でられたことを思い出して、顔に熱が集中するのがわかる。くやしい。
この二日間を思い出して少しだけ浸っていれば、手元のスマホが通知を示して震えた。それはAからのメッセージで、即行で開いてしまった。
Aお邪魔しました。
A楽しかった、ありがとう!
『楽しかった』それだけで救われた気がした。にやける頬に気付きながらも何を返そうと考える。
キヨおう!
キヨ俺も楽しかったわ、ありがとな!
キヨまたいつでも来いよ
あくまで、友達として。そう、友達だから。
938人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆう - あーーーぜひ続きをぉ!最高ですぅ! (7月17日 2時) (レス) @page33 id: 296f8e7140 (このIDを非表示/違反報告)
星月_hosituki_ - あぁもう好きです。キヨさんがかっこい…!続き待ってます!! (2020年3月8日 22時) (レス) id: d71fa0da5d (このIDを非表示/違反報告)
にぼし - とても素敵な作品ですね!これからも楽しみにしています! (2018年10月20日 14時) (携帯から) (レス) id: 67b0752e5d (このIDを非表示/違反報告)
ぽる。(プロフ) - めちゃめちゃドキドキしながら読みました!!更新めちゃめちゃ楽しみにしてます!!!! (2018年10月14日 8時) (レス) id: ea71c9b9a1 (このIDを非表示/違反報告)
あぉ(プロフ) - 好きです(突然の告白) (2018年10月8日 23時) (レス) id: f4c22e4712 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:のの | 作成日時:2018年3月14日 1時