10 * side kiyo ページ11
俺ってこんなに余裕なかったっけ。そう思わざるを得ないくらいに頭は混乱していて。そういえば、昨日の電話で好きな人はいなくはないって言ってたなんて都合の悪いことまで思い出してしまって。ああもう、ちょっとは俺にも脈ありなんじゃないかって、これは俺の全て勘違い。
A「……キヨさん？」
キヨ「…よお。」
もう俺のテンションはどん底で、このまま帰ってしまおうかと考え始めていた時、Aはどうやら俺の存在に気づいたらしく、前で足を止めた。
A「あ、お疲れ様です、すみません。」
声をかけられたことに驚いていると、Aと一緒にいた男は手を振りながら去っていった。いや、Aはここにいていいのか？一緒に行かなくて良かったのか？そんなことを考えたけど、この状況はとても俺にとって都合が良くて、先ほどの男に軽く感謝する。
キヨ「ライン、見た？」
A「あ、いや、、、」
キヨ「やっぱりな。」
A「ごめん、ね？」
言葉を出して気づいたのは、自分が思っていた以上に自分が不機嫌だということ。別に、怒りたいわけじゃないのに。だけどさっきの2人を見てむしゃくしゃしてしまっているのは確かで、気づけば行くぞと彼女の右手を取って歩き出していた。
A「行くってどこに？」
キヨ「んーとりあえず飯。」
A「パスタがいいです。」
キヨ「お前…了解。」
謎の希望を飛ばしてきた彼女になんか嬉しくなってしまって、口元がにやけた。俺が怒っていても不機嫌でもどんな場面でもこだわりは譲らない彼女はあの頃と変わらない。
A「さっきのね、会社の先輩。」
キヨ「…ん？」
A「あ、いや、わざわざ言うことでもないか…？」
俺がパスタを許可したことによりご機嫌に歩きだした彼女から突然発せられた言葉。それだけの関係なら俺は嬉しいんだけど。その感情がバレないように冷静ぶって返せばむしろ彼女の方が戸惑っていて。
キヨ「ふっ。」
A「なんか、一応、言いたくなって…」
キヨ「ありがとな。」
変に察しがいいところがこいつらしくて、こういうところに何度も救われてきた気がする。結局俺まで上機嫌になって、イタリア料理店に入った。
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ゆう - あーーーぜひ続きをぉ！最高ですぅ！ (7月17日 2時) (
レス) @page33 id: 296f8e7140 (このIDを非表示/違反報告)
星月_hosituki_ - あぁもう好きです。キヨさんがかっこい…！続き待ってます！！ (2020年3月8日 22時) (レス) id: d71fa0da5d (このIDを非表示/違反報告)
にぼし - とても素敵な作品ですね！これからも楽しみにしています！ (2018年10月20日 14時) (携帯から) (レス) id: 67b0752e5d (このIDを非表示/違反報告)
ぽる。(プロフ) - めちゃめちゃドキドキしながら読みました！！更新めちゃめちゃ楽しみにしてます！！！！ (2018年10月14日 8時) (レス) id: ea71c9b9a1 (このIDを非表示/違反報告)
あぉ(プロフ) - 好きです（突然の告白） (2018年10月8日 23時) (レス) id: f4c22e4712 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のの | 作成日時：2018年3月14日 1時
