ツンデレちゃんと大型犬2【鳳長太郎】 (ページ17)

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65　最終回ページ17

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＿10年後＿

「Aちゃーん、そこの荷物運んでくれるー？」
「はいよー」

このダンボールか、持ち上げてみると思った以上に重くて、慎重に運ぶ。

私たちは同棲することになった。
中学2年生のときに付き合って一緒に高等部を卒業し、お互いそれぞれの道を進んだ。

未だにテニス部のメンツとは繋がりがある。
月に1度ご飯や、飲みに行ったりしている。

「ごめん、Aちゃん！重いやつだった？」
「あ、長太郎、これじゃなかった？」

後ろから支えて代わりに持ってくれる長太郎

「ごめんね、俺の説明不足だった…！軽いやつで良かったんだ…！」
「そーなんだ、んで、こんなか何入ってるの？」

これは食器、新しく買ったやつ。と微笑むと軽々とダンボールを持ってキッチンへと向かった。

「ダンボールだらけで狭くなっちゃったね」
「長太郎の実家とは比べ物にならないくらい狭いね」

そこそこ裕福な生活をしてきた私達にとってはマンションの一室は少し狭く感じた。

「自分達で1から貯金して買った家だから仕方ないよ、俺、もっと頑張って、もっと大きな家買うから。」

長太郎は私の手を取って握った

「もっと頑張らなくちゃね」
「Aちゃんの為にもっと頑張るよ」

真剣な眼差しが何だか恥ずかしくて、目を合わせるのが恥ずかしい。

「ばっ…、ばかぁ」
「照れてる。かわい」

ニコニコと嬉しそうに頭を撫でる長太郎

「うるさ！早く荷物運ぶ！ほら！」
「あ、そうだ！宍戸さん手伝いに来るって」
「なんでそれ先言わないんだよ！」

素直じゃないけど、私をもっと、ずっと、これからも愛してくれたらいいな。