オーヴェンの娘とか？ (ページ3)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,712 hit

ー2話ーページ3

｢おーいるか｣

聞き覚えのある声にビクリとなる
心臓。

｢意外と早かったね、ヤミ｣

お父さんはヤミさんと少年を診察室へ案内した。
あの後急いで掃除をして正解だったわ。
むしろ短時間で掃除をおわらせる私は天才だと思うわ。

｢お、A、こんな所にいたのか｣

名前を呼ばれだだけでも顔が熱くなる私。
黒の暴牛団長ヤミ。
私の初恋の人。

｢な、なに？｣

｢いや？お前も小僧に合わせようと思って｣

ポリポリと頬をかく彼はやはり
見とれてしまうほどかっこよくて
顔が暑い。

｢小僧？？｣

誤魔化すよう会話を進める

｢いま、オーヴェン所にいる奴｣

｢ふーん。それで？｣

｢別に。｣

｢別にって、それだけ？｣

｢あぁ｣

しばらく無言が続く
ほのかに香るタバコの匂い。
相変わらずヤミさんは無口で、無愛想。
何を考えてるのか全くわからない。
そんな相手なのに
この短い時間でも幸せと感じてしまう。

｢所でお前なんでそんな汚れてるんだ？｣

ヤミさんに言われ
自分の格好をみれば
ホコリだらけでなお、とてもとは言えるほど
汚れていた。

ボブっと体全体が熱くなる。

｢掃除してたのよ！！｣

｢ご苦労さまで。｣

よしよし、お疲れ様と
その大きな手で私の頭をポンポン優しく撫でてくる
ヤミさん。