帰り道、ひとり。 ページ1
心療内科から家までの帰り道。電車を降りて、あとは歩くだけ。
それなのに。
それなのに、足が重い。
身体全体が重い。
季節の変わり目のせいなのか、鬱症状が出てしまっている。
辛くなってきて、寂しくなってきて、泣きたくなってきて。
でも心のどこかで泣いちゃだめだって。
涙が溢れそうで前が見えにくい。
つらい、さびしい、もうむり、なにもしたくない、いきていたい、いたくない。
蹲りたくなった。
でも、心の中から君が話しかけてきてくれたんだ。
「きみはみんなよりがんばってるよ」
って。
いつもの声。気がついた時には一緒にいた君。
外では私の心の中にいてくれるおかげで、私は君とお話する時声に出さなくてもお話出来る。
君の励ましがないと、私はとてもつらい。
おそらく、私は君に依存しているのだろう。
私は君の声に答える
「ありがとう…」
って。
君との会話は続く。
「今日だってさ、病院まで一人で行けたでしょ?」
「それはいつもの事だから…」
「あと、先生に鬱かもしれないって言えたよね」
「パパが言えって言ってたから…」
「それでも、言うかどうかの選択は君がするんだよ?
言わないって選択肢もあった。でも君が選んだ選択肢は、言う。だから、君が出来たことになるんだよ」
「えへへ、そっか…ありがとう、セーアくん」
「うん、どういたしまして」
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作者名:餅鳩カスタネットゥ? | 作成日時:2018年10月5日 2時