もう一度だけ再掲 (ページ18)

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瞳はページ18

違和感を感じて目を開ける、視界には殺意に満ち溢れたお母さんの姿があった。
私はお母さんに馬乗りにされているようだった。

母「早く死ねよ！」

怒号が飛ぶ私は何を言っているのかわからなかった、ふと違和感を感じるので視線を動かすと私の左胸にナイフが刺さっていた。
でも不思議と痛みも感じない、それどころか力が湧いてきた。
私はお母さんを押しのけ立ち上がりナイフを抜く。血はおろか傷口さえもなかった。

母「あ、悪魔だ...」

そんな私の姿を見て悪魔だと言いながら顔を青くし後ずさりするお母さん。

殺せ

本能がそう言っている。私はそのナイフでお母さんに斬りかかった。

お母さんは形もわからないくらい切り裂いた。お父さんも、部屋の端にある鏡が目に移った、そこには口を三日月形に歪めた血塗れの私が写っていた。青い瞳が不気味に光っている。とても10歳には見えないような醜い姿。

『私は本当に悪魔だな』

そう言いケラケラと私は笑っていた。

あの時もそうだった。アンジュから爆弾を投下された時も私は死ななかった、私はアンジュを殺した、お母さんとお父さんのように。その時も赤い目が光っていた。でも正気に戻ると目に色はなかった。
力を使い切ったのだ。
10歳で過去の目を失い今記憶の目を失った。
だからあの時の記憶が曖昧だったのだ。

私？「思い出したみたいだね、そろそろその瞳も元に戻るから」

そう言い小さな私は私に背を向け歩いて行ってしまった。

『やだ、戻らないでこのままでいさせて...』

もう嫌われたくないから。