私は… ページ15
過去のことを思い出しながら私は煙弾を作っていた。
すると外から控えめなノックが聞こえる。
(誰だろう?)
エマさんはノックをしないし、エミリーさんなら声をかけてくれるし、なんて考えながらドアを開ける。
イ「A」
そこにはイライ君が立っていた。
『どうしたんですか?』
彼とはゲーム以外であまり話したことがなかったので不思議に思いながらたずねる。
彼はじっと私を見たまま何も言わない。
『あ、あのイライ...君?』
流石に気まずくなったので声をかけると少し視線を外した。
イ「その、話し方他人行儀みたいで落ち着かない」
『すいませんこの話し方が染み付いちゃってるんです』
こっちだって落ち着かないって言たかった。でもダメだ、私みたいな悪魔がみんなと仲良くしてはいけない。
(どうせ裏切られ失うんだ...)
きっと私のことを愛してくれる人なんていない、この距離があるからうまく言ってるんだ。
イ「誰もAが幸せになって嫌がる人はここにはいない」
『え、』
彼は私をまっすぐ見ている。
イ「ここはAのことを受け入れてくれる」
『な、なんでそんなこと...』
まるで全て見透かされているようだった。
このまま彼といては危険だ。私の本能がそう言っている。
甘えてはダメ、
(また繰り返すのか?)
私は...
また仲間に裏切られ、殺され罵声をあびせられるのか?
『すいませんやる事があるのでし、失礼します!』
そう言うとぎこちなく笑いドアを閉める。彼は開けてくれと言っていたが諦めたのかどこかへ言ってしまった。
足音が聞こえなくなったのを確認すると力なく座り込んでしまった。
『私に優しくしないで...』
甘えてしまうから...
私はあの日から人を信じられなくなってしまった。優しくしてくれる人みんなが私を苦しめようとする、そんなことしか思えなくなってしまった。
捻くれている、自分でも痛いくらいにわかっている。
それに
『こんな悪魔だから』
私の小さな呟きはドアの前にいる梟に聞かれていたなんて私は知る由もなかった。
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作者名:パフェちゃん | 作成日時:2020年1月19日 11時