過去 ページ13
私は普通の家に生まれた。だけど両親は私を愛してはくれなかった。
よく覚えてないけど二人は私のことを《醜い子》や《悪魔の子》なんて言っていた。
「なんで貴女なんて産んだのかしら」
「悪魔が生きてんじゃねーよ」
そんなことを毎日言われ続けた。お父さんには何度も殴られた。幸いだったのは顔や腕、足には傷がつけられなかったことだ。
小さい時は二人が怖くて殴られるのも痛くて泣いていたが4歳過ぎた頃からそんなの慣れてしまって泣かなくなった。
二人は私を殴ったり怒鳴ったりしても表情一つ動かさなくなった私をもっと不気味がった。
『こんなのいやだな』
私は床に寝転がりつぶやいた。窓から見える月は明るく私を照らす。
(まんげつだ)
気付いたら私は外にいた。手にはお金が握られている。ここで私はやっと家出をしたんだと気がついた。
その日から私は外で過ごすことにした。不便ではなかった、むしろこっちの方が気が楽だった。でも、持っていたお金はそこをついてしまった。
(お腹すいたな)
私は浜辺に寝そべっていたここ三日間何も食べていない。きっと私は死ぬのだろう、そう思っていると眠気が襲ってきた。抗う体力も残っていなかったので私はそのまま目を閉じた。
「―――だろ―しに―」
「でも――け―」
(こえがきこえる、だれだろう)
私は死んでなかった。体はふわふわするが感覚はしっかりある。私は寝かされていることに気がついた。
(ふとん？)
私は布団に寝かされていた。お父さんとお母さんが寝るのにつかっていた物。
私は目を開け周りを見回す。部屋はそこまで大きくないがきれいに整えられており綺麗な部屋だった。部屋には男の人が二人目に映った。二人は私が起きたのに気付いた。
「お、お嬢ちゃん調子はどうだ？」
帽子を被った髭の生やした男の人が話しかけてきた。私は浜辺で倒れているのを助けてくれたらしい。男の人は水兵の“えらい人”だって言ってた。もう一人はそのえらい人の“みぎて”だと言っていた。
私は二人のおかげで元気になり少しずつ笑顔になれるようになった。
私は決めたこの人たちと一緒にいたいと。
そしてわたしは12歳で水兵になった。最初は見習いとして見学や簡単なことをしていたが少しずつみんなと同じ訓練もできるようになった。
訓練はきつかったがみんな優しく楽しく過ごせた。
ここの人は優しくしてくれる。
そう思っていたのに...
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作者名：パフェちゃん | 作成日時：2020年1月19日 11時
