青城マネちゃんは不思議な子

46粒目 ページ49

花巻side

瀬峯坂が俺にわかんないところを聞いてくる時
「ここはここは?」
と子供っぽく、指差して聞いてくる

教えると、おー！と声をあげてワクワクしてるような目ですごいね、と褒めてくれる

そして勉強する前なんかはペンでどれだけ高いタワー作れるかとかをめっちゃ真剣にやってるとか

……可愛いかよ

あぁ、答え出したくないとか言っときながら、もう出てんじゃんか…

でも彼女は部活に集中したいと言っていつも告白を断っている

そりゃ俺ら部員にとっちゃ嬉しいことこの上ないが…

「花！ここ、どうするの？」

「わ、あー、ここな、ここは…」

そうだ、考えるな考えるな、今は勉強だ…

でもついつい思ってしまう

聞かれたところを教えてるときに、うんうん、頷きながら相槌をうったり、目で追えばいいのに頭ごと動かしてたり

自分で解けた時に、見てみて！って目をキラキラさせたり、両手でコップ持つところとか、ペンを持つ俺より全然小さな手とか

ポテチでも美味しそうに幸せっ！って顔しながら食べるとことか、考えてる時自然とペンをギュッて握って頬杖つくとことか

可愛い、本当に可愛い

もう全部全部可愛く見える

ダメじゃん、惚れてんじゃん…ベタ惚れじゃん…

答え、出ちゃったなぁ…

でも、それを伝えるつもりはない

少なくとも今は

彼女はどんな奴からの告白も断る。
今はそう言うのわからないから、と

それに、さっきも言ったが今は部活に集中したいと言っているし、俺もそうだ

いや…たぶんこれは逃げだけど

もしも、逃げずに今伝えてみろ
部活中気まずくなるし、周りもそうだし、何より集中できないだろう

だから

今はまだ、そう言うことにさせてくれ

俺の勇気と覚悟が決まるまで

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