ナンパしたら同じクラスの奴だった

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Aside

あ〜、やっとお昼だ

ぐぐぐっと伸びをしながら横に目をやると角名は既にいなかった

購買にでも行ったんかな？早く行かないと混むもんねー

いくら飄々としていて周りの女子からクールだなんだと言われている角名といえどやっぱアイツも男なんやなぁ〜

購買に急ぐとは意外

あんな感じでも運動部だし割と量食べるんかな

それか部活かね？

やっぱ全国クラスの部活には昼練とかあんのかな

ま、私にはあんま関係ないけど

朝コンビニで買ってきたサンドウィッチを食べながらゆっくりとお昼休みをすごす

二きれめを口に入れた時頬に冷たいものが触れてビクリと身体を揺らしてしまった

結露した水滴が頬を伝う

「ほほッ、ビビりすぎ。はい、ミルクティーでよかった？」

角名は相変わらずの変な笑い方でクスクスと肩を揺らしながらリプトンのミルクティーを差し出す

…私の好きなやつや

「私がこれ好きって知ってたん？」

「この間、Aが怪我した時帰りにそれ買ってたでしょ？好きなのかなって。当たり？」

なんだかさっきの揶揄う様な笑い方とは全く違う優しい笑い方をした

彼の普段は鋭く見えてしまう眼光が柔らかく、平行でキリッとした眉尻が下がった優しい笑み

不本意ながら素敵だと…思った
可愛い笑い方をするんだな…って

それでいてこの間のコンビニで私が買っていた飲み物を覚えていてくれていたなんて

契約とはいえ、凄く良い彼氏

今まで何故彼女の噂がなかったのか不思議で仕方がない

「おん…好き…。ありがとう」

「っ…、こちらこそ、放課後までには返すから…じゃ」

角名は顔を背けて手だけ私の方へ振るとそそくさと扉の前で待っていたであろう宮兄弟の元へ向かった

「おっそいねん！ミーティングはじまるで！！遅れたら怒られるってのにイチャイチャしよって！！」

「何をそんなにカリカリしてんねん。まだ全然あるやろ」

「自分に彼女がいないからって僻まないでよ」

はぁ？？そんなんとちゃいますけどぉ？？？
との具合で相変わらず騒がしいけど、なんだかんだアホらしくて笑ってしまう

私以外にも教室にいる人の大半がバレー部を見て、またやってる、とクスクス笑っている

やっぱ人気者だね、アイツらは

…てかミーティングだったのに今届けてくれたんだ

自分の買うついでにとは言ってたけど忙しいなら5限の後とかでも全然よかったのに

本当、優良物件やな角名クン

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