彼女は手強い ページ22
角名side
「角名、助かったわ。ありがとうな」
彼女は俺に心を許してくれないらしく…まぁ、そりゃ彼女からしたら脅されてしょうがなく付き合ってるわけだしね
こちらを見ることはなく淡々とお礼を言われる
「困った時はお互い様ね」
彼女は俺の言葉に不思議で仕方がないとでも言うような顔をして目を合わせてくる
前髪は下ろされてるから目は半分くらいしか見えないけど、それでも好きな子に見つめられると結構ドキドキする
顔には出さないけど
「私と付き合って角名にメリットってある?」
そんなことか
「あるよ、たくさん」
俺はちょっとでもドキッとしてくれと願って俺史上最高に優しく笑って言う
例えばAに気持ちがなくても隣にいる口実ができるし、可愛いところも、知らないところも、本来の彼女も見れるし、まだまだたくさんメリットはある
いや、メリットしかない
「ほーん」
Aは目を外に向けて生返事する
「何それ、自分から聞いといて」
「別に…角名がしたいことがますますわからんなぁって」
「ふっ…そのうち嫌でもわかるよ」
彼女の目を見て彼女の髪を一束救ってバラバラと落としてみるがこっちがドキドキするだけで彼女のポーカーフェイスはピクリとも崩れない
「ふーん…そ」
そして彼女はまた外を眺めてしまった
意識したことはあまりないが俺だってモテないわけじゃないし、双子に及ばずとも顔はいいとよく言われる
いや、まぁ多少おかしなところとかもあっただろうし、半分脅しみたいな感じで渋々付き合っていることはそうなんだけどさ…ここまでして靡かないなんて…
さすがは女ナンパ師といったところだろうか
俺にしては珍しく
むしろ燃えてきた……うわ、なんかこれ恥ずかしいな
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ステラ(プロフ) - あいすくりーむさん» コメントありがとうございます 時間開くとは思いますが更新はさせていただきますのでよろしくお願いします (10月30日 17時) (レス) id: 937f8870d2 (このIDを非表示/違反報告)
あいすくりーむ - 狐……w。続き楽しみにしていますっ!!! (10月28日 9時) (レス) @page23 id: 200dc23748 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ステラ | 作成日時:2023年8月16日 12時