ナンパしたら同じクラスの奴だった

最悪だった今日 ページ15

Aside

私は稲荷崎高校からわりかし近くに住んでいる

角名の寮は郊外ではあるものの学校の近くで、私と方向が同じ

双子の家は知らないが、私の家に行く手前にバス停があるので方向は同じ

同じ学年の銀島君は反対方向

なので双子と角名と帰ってる途中だ

さっきすでに前髪は戻していたし、後ろ髪も下ろした

なんせ、校内の有名人と歩くんだから

普段みたいに前髪を制服のままあげたりして有名人なんかと歩いていたら

『あれ、あの女この前駅でナンパしとらんかった？』

『あー、いたいた！ってかうちの制服やん』

『あ！あいつ1組のAやん！』

なんてことになるかもしれない

まだかろうじてバレてないのに


「なぁ、コンビニよってええか？」

宮治が私のことを見ながら言ってきた。

たぶん普段は行っていいかなんて聞かずに強制的に行くんだろう

「ええよ」

本当は、早く帰りたい

が、今日は色々あって疲れたので糖分が欲しいから私もなんか買いたい


それぞれが自分の買いたいものを買って、食べ始める

私もリプトンのミルクティーを飲もうと飲み口を開ける

風が吹いて横髪が口に入る…

いつもならこんなことでイライラはしないのだが今日は無性にイラついた

そのせいか判断力が鈍ってしまったのだろうか…

髪を耳にかけてしまったのだ、そして前髪をかきあげてしまった…髪を下ろした時にピアスをつけたのに

そのピアスはあの日つけてたものだったのに

「あ、思い出した…」

「何がや、サム」




「Aさん、アンタこないだあやかちゃんとナンパしてきた人やろ」




宮治が私を指差して言った

え…

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