・ ページ20
伊藤side
「おい相良テメェ！！！」
「あ？…これはこれは軟高の伊藤さんじゃないですカ〜…何の用だ」
俺はヘラヘラといつもみたいに笑いながら振り向いた相良に腹が立ち、胸ぐらを掴んだ
Aちゃんがどんな思いでいるか、どうしてあの子が自分を責めなくちゃいけねぇのか
「ぅっ！ンだよ、やるかコラ」
相良の胸ぐらを掴んだまま壁に押し付けるが、相良の表情がそこまで変わることはない
「テメェさっき何してた？」
「あ？」
「テメェの惚れた女がテメェのことで泣いてる間何してたって聞いたんだよ！！」
「………ンなの、俺が知った事じゃねぇよ、あの女が勝手に振って勝手に泣いてンだろうが。俺には関係ねぇンだよ！離せやクソが」
「テメェそれ本気で言ってんのか？……俺が思ってた以上にクソ野郎だな相良テメェ…殴る価値もねぇ」
Aちゃんには悪いが、コイツが本当にそう思ってるなら別れるのが正解だったと思う
俺にはコイツのためにAちゃんが涙を流す価値があると思えねぇ
コイツから手を離してこの場を去ろうとしたが、相良が壁にズリズリとしゃがみ込みボソボソと何かを呟いた
「あ？」
「…テメェに…何がわかんだよ……軟高で頭張ってるテメェによ」
そう言った声は、俺が聞いたこともない、普段からは予想がつかないような弱々しい声だった
表情は俯いててわからない
「…どんな事情があろうと、惚れた女泣かしていい理由になんかならねぇし、泣かしたのはテメェだ。それも変わらねぇよ」
静かな空間に舌打ちだけが帰ってきた
腹立たしいことに変わりはないが、少なくとも相良がちゃんとAちゃんの事を想ってる事はわかった
Aちゃんの涙もきっと報われる…そう信じて俺はみんなが待つサテンへ向かった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 655人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ステラ(プロフ) - そるとさん» ひぁ！ありがとうございます！ご期待に添えるように頑張ります！！ (2023年1月17日 23時) (
レス) id: 937f8870d2 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - めちゃくちゃ好みのシナリオ過ぎてもう好きです！！更新待ってます！頑張ってください‼️ (2023年1月17日 0時) (レス) id: 94d58992ad (このIDを非表示/違反報告)
ステラ(プロフ) - まいやんさん» あびゃぁ〜！ありがとうございますぅぅ頑張っちゃいます！！ (2022年8月30日 0時) (レス) id: 937f8870d2 (このIDを非表示/違反報告)
まいやん(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンしてます！これからも更新頑張ってください！ (2022年8月28日 4時) (レス) id: 9a00c406d6 (このIDを非表示/違反報告)
ステラ(プロフ) - hohoさん» きゅぅう！ありがとうございます！がんばれちゃいます！ (2022年8月11日 1時) (レス) id: 937f8870d2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ステラ | 作成日時：2022年4月5日 0時
