検索窓
今日:14 hit、昨日:1 hit、合計:22,263 hit

No.39 訊いて聴いた ページ28

「光」

「な、何?」

手を頭にのせる。

「・・・光に会うまで4年歳月が経っていた。久しぶりに見た時、とても驚いたよ。容姿は変わっていた

が、紛れもなく光だって分かった。その時私は恥ずかしかったんだね。変な事を言ってしまった」

「『私と心中してくれないか?』」

鮮明な記憶の一言を云う。それを聴くなり、兄さんは照れたように笑った。

「あの時は本当に申し訳なかった」

ニコニコと笑っているが、貼り付けられている笑顔だ。所謂空笑いというものか。

「謝罪なんかじゃ、許せない・・・。僕は・・・寂しかった。兄さんに見放されてしまったのか、厭きられ

てしまったのか、其れとも・・・不要と、されしまったのか・・・」

仕舞えた涙がまた溢れ出てくる。拭っても拭っても溢れ出てくる。

「光・・・」

再び呼ばれた。しかし、その声に違和感がある。

兄さんの顔を見ると濡れていた。目元が、何かで濡れていた。

「御免、有難う」

ぎゅっと、優しく僕を包み込む。

「私は光を・・・悲しませてしまったんだね」

静かに鼻を啜る音が聞こえる。

「あんなに、辛い思いを・・・」

「に、兄さん・・・。ゆ、許すから泣かないでよ」

背中をトントンと叩く。

「兄さん・・・お兄ちゃんは、昔っから全然変わってないね」

「そ、そんな事は無い!」

恥ずかしいのか、少し声が上ずっている。

「お兄ちゃん、マフィアに戻ってこないの?」

唐突に質問をする。

「私は探偵社員だから」

「・・・。そっか。」

思ったとおりが半分、嘘でしょうが半分。でも、かなり堪えた。

No,40 又今度→←No,38 訊いて、聴いて



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.1/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
68人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 太宰治の妹   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

塩キャラメルパン(プロフ) - 華月姫さん» 再び有難う御座います!これからも頑張っていきます。 (2017年6月17日 12時) (レス) id: d08466c728 (このIDを非表示/違反報告)
華月姫(プロフ) - 続編見に来ました!すみません、遅くなって・・・。やっぱりお話書くの上手ですね!面白かったです!番外編が特に好きですね、私的に(*'▽')これからも更新頑張ってくださいね!(^^)!応援してます! (2017年6月17日 10時) (レス) id: f5f2dd91a6 (このIDを非表示/違反報告)
ヘッドホン少女 - 短いお言葉ですが、更新頑張って下さい! (2017年2月11日 14時) (レス) id: 2d55b08983 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:塩キャラメルパン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jintann/  
作成日時:2017年2月2日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。