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No,38 訊いて、聴いて ページ27

「今度はなんだい」

振り向き髪の毛をかきあげる。披露会(ショゥ)じゃないぞ。

くだらない事をつっこんで、咳払いをする。

「兄さんは、本当に僕が分からなかったの?」

今までの事、全て鮮明に覚えている。

何故、何故に覚えていない。

その理由を訊きたい。

「・・・確かに、一人称が『私』から『僕』になっていたり、『お兄ちゃん』から『兄さん』になってい

た事に少しは驚いたけれど」

「うっ・・・」

正に黒歴史。否、今が黒なのか?

「分かっていたよ」

「嘘だ」

直ぐに否定をした。

「忘れていたでしょう。如何してあの時直ぐに云ってくれなかったの?」

分かっていた。その事に腹が立った。

分かっているわけ無いじゃないか。

「知らなかったンでしょ?分からなかったンでしょ?だからあの時『君は誰?』って訊いたんでしょうそ

うでしょう?!」

目元が熱くなり、そして、生温かい水滴が頬を伝う。

「『私』の事なんか覚えていないンでしょう?!ねぇ『お兄ちゃん』!!」

塗れてぐしゃぐしゃになった顔を手で覆う。

しかし、耐え切れずに慟哭した。

咽び泣く声が響き渡る。情けないなぁ・・・。

コツコツと足音が聞こえてきたかと思うと、覆っていた手を離された。

「止め・・・」

「御免」

「あ・・・」

目の前には悲しそうな顔の兄さんがいた。悲しいというよりは、何だろう。表現のしにくい表情だ。

兄さん、そんな顔を、する事が出来るの?出来たの?

No.39 訊いて聴いた→←No,37 僕は貴方との戦いを所望する



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 太宰治の妹   
作品ジャンル:アニメ
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塩キャラメルパン(プロフ) - 華月姫さん» 再び有難う御座います!これからも頑張っていきます。 (2017年6月17日 12時) (レス) id: d08466c728 (このIDを非表示/違反報告)
華月姫(プロフ) - 続編見に来ました!すみません、遅くなって・・・。やっぱりお話書くの上手ですね!面白かったです!番外編が特に好きですね、私的に(*'▽')これからも更新頑張ってくださいね!(^^)!応援してます! (2017年6月17日 10時) (レス) id: f5f2dd91a6 (このIDを非表示/違反報告)
ヘッドホン少女 - 短いお言葉ですが、更新頑張って下さい! (2017年2月11日 14時) (レス) id: 2d55b08983 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:塩キャラメルパン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jintann/  
作成日時:2017年2月2日 6時

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