番外編 七 ページ16
3、4問の質問に答えただけで「少々お待ち下さい!」と云ってコーナー内を探し始めた。
何だこれ。何?樋口ちゃんは万能ですか。知ってます。
焦っているのかテンパっているのか自分でも分からないが、兎に角可笑しくなっているのは何となく
気づいていた。
腕を組みながらそんなことを考えていると「此れはいかがですか?」と樋口ちゃんが云った。
「え、戻ってきてたの?」
「はい。光先輩にお似合いのもの、見つけました。お気に召してくれると嬉しいです」
腕に抱えていた水着を3着ほど差し出される。
「おぉ・・・」
服選びにも経験とやらが必要なのか?僕が選んだものと全く違う。
まず1着目。無駄な飾もない、派手でもない。だからといって地味でもない。云い表すには語彙力が必
要だろう。作者が語彙力皆無なのが悪い。(すんまそんby作者)
そして2着目。桃色と淡い黄色のギンガムチェック柄のもの。此れも派手でも地味でもない、いい具合
のものだ。
最後に3着目。黄色と赤みの橙色がグラデーションされているもの。一見派手に見えても、いい按排
だ。
「いかがですか?」
「流石、としか云い様がないよ。有難う」
「いえいえ〜。お気に召して頂いて嬉しいです」
・・・それにしても、悩むな。
どれも素敵で選べないぞ。
「悩みますか?」
「うん。こうやって服を選ぶなんてしたことがないから。大抵兄さんが買ってきてくれたり、お下が
り貰ったりっていうことが多かったからね」
「そうだったんですね」
珍しい、初めて知った、と云うかのように頷いた。
悩む、悩むけど。
「僕は此れにするよ」
1着目に見た水着を逆の手に取った。
「決定、ですね」
「うん」
確認の意を込めて訊ねられた。
「では、お会計して戻りましょう。そして明日の準備をしましょう!」
「だね」
籠に水着を入れ、レジへと急いだ。
「ところで、申すには少し申し訳ないのですが」
「何?述べて」
おずおずと述べる。
「はい。・・・水着、サイズはそれで大丈夫ですよね」
ピキっと何かが撓る音がする。いや、そういうことではない。僕は背丈は中也君よりあるし、十分中
也君より高い。樋口ちゃんよりは小さいけど、小さいけど。ね。
「・・・試着してきます」
籠から荒っぽく取り、試着室まで走った。
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塩キャラメルパン(プロフ) - 華月姫さん» 再び有難う御座います!これからも頑張っていきます。 (2017年6月17日 12時) (レス) id: d08466c728 (このIDを非表示/違反報告)
華月姫(プロフ) - 続編見に来ました!すみません、遅くなって・・・。やっぱりお話書くの上手ですね!面白かったです!番外編が特に好きですね、私的に(*'▽')これからも更新頑張ってくださいね!(^^)!応援してます! (2017年6月17日 10時) (レス) id: f5f2dd91a6 (このIDを非表示/違反報告)
ヘッドホン少女 - 短いお言葉ですが、更新頑張って下さい! (2017年2月11日 14時) (レス) id: 2d55b08983 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:塩キャラメルパン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jintann/
作成日時:2017年2月2日 6時