静寂の鷹【ハイキュー】

静寂の鷹4 ページ10

5年後＿＿＿



真っ白な可愛いウエディングドレス。スタッフさんは「とってもお似合いですよ！！」と褒めてくれたが実際鏡を見てみれば日本人なのに全然似合わないもんだ。


本音を言ってしまえばかっこいいウエディングドレスが着たかった。レースがついてなくてもいい、豪華な飾りが無くたっていい。


本当なら凛ちゃんや侑だって…



そんな後悔ばかりが募る結婚式。一体誰が得すると言うのだ。鏡に移る自分が余計に惨めに思えて仕方がない。



「Aちゃん」



あぁ、私を呼ぶこの甘い声。響かないのは聞き慣れてしまったからなのだろうか。




「何？雪成君」


「ううん、似合ってるなぁ……って思っただけ」




そう言ってしみじみと私を見る雪成君。似合っていないといっその事罵って欲しいものだ。しばらく2人でいると、懐かしの先輩達が私に駆け寄ってくる。

彼なりの配慮なのだろうか、雪成君は静かに部屋から出ていった。


「A…」


「真希さんに頼さん、百合さんに葉月さん。お久しぶりです」



いつものように笑ってみれば少し泣きそうな顔になる先輩方。



「あんたに先越されてもうたわ〜歳って怖い……」


「百合はこないだ男に逃げられたもんな」


「ちゃうわ！！あれはな＿」



なるべくこの結婚式のことについては触れないようにしているのだろう。私がどんな気持ちなのか先輩方にはお見通しだと思う。


聞きなれたはずの関西弁が乾いた笑いにひりついて離れない。

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