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名もなき話3 ページ20

「___って感じです 」



「へぇ…“人気純愛小説作家鳥類(とりたぐい)狐子(きつねこ)”の起原が宮夫婦だったとは…驚きました 」






記者はそう言ってボールペンを器用にくるくると回した。店内には学生もちらほら見える時間帯、あの大人びた高身長のメガネくんとボブの茶髪がよく似合っている可愛い子……一体何を話してるんだ……気になるじゃないか。

ボブの子にはおそらく婚約指輪がはめてあるんだよなぁ……益々気になる。




そんなことはさておき、最近宮選手達はバレー界の超おしどり夫婦としてさらに名が広まっているそうな。




「あの二人には届かないだろうけど、わたしはものすごく御二方に感謝してるんです。いつか会えたらありがとうって言わせて欲しいです」






本人たちは知らない話。




あの時、テレビでたまたま見た一言が私の背中をガツンと押してくれた。




いつかでいい、言えなかったら墓場まで持っていこう。





________




「!……そうなんや」



とある午前、静かなカフェでショートカットの髪が揺れる。彼女の手には【大特集!!大人気純愛小説作家鳥類狐子】と一面に書かれた大手出版社の雑誌があった。


すると、彼女の視界が真っ暗になる。




「だ〜れだ?」


「___ブラックジャッカルセッターの宮侑。及び、私__宮Aの愛する夫」



「……なんや恥ずかしいな」



「あんたがやったんやろが」




彼女の後ろにいたのは宮侑だった。愛する夫と言われて照れたのか、それとも夏の暑さのせいなのか。彼の顔がほんのりと赤くなっていた。





「ん?なんやそれ、」


「そうそう、これな〜」


「___あぁ、そういう事か」






彼と彼女__宮侑と宮Aの口元には笑みが零れていた。その姿、絵になると言っても過言では無い。


その頃、隣接するカフェには幸の薄そうな顔をした女性が何やら記者のような人と楽しげに会話を弾ませていた。






名も知らぬ彼女は、知らない。








________


名もなき話

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トマトまと(プロフ) - シリーズ最初から一気に読ませていただきました!最後、春高で勝ったところ、感動しました。それと宮侑が花嫁泥棒した場面と、後輩ちゃんが婚姻届をライターで塵にした場面、めちゃくちゃ好きでした!!素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございました!!!! (2022年1月30日 21時) (レス) @page21 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ、、、最初からここまで一気読みしちゃった (2021年9月11日 16時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
真柴白 - 宮侑あんまり好きじゃ無かったけど、最後の方の花嫁掻っ攫って行くのは、かっこよかっなぁ~。(・∀・)ニヤニヤ (2021年1月18日 21時) (レス) id: b8cb4c9ad0 (このIDを非表示/違反報告)
わらびもちLOVE(プロフ) - 完結してから大分経ってますが、すごく面白かったです!!!カッコよかったー!特に結婚式。完結おめでとうございます!!! (2020年12月12日 14時) (レス) id: 58af678720 (このIDを非表示/違反報告)
ユッパ(プロフ) - 完結おめでとうございます、感動しました!素敵な作品をありがとうございます (2020年7月23日 0時) (レス) id: 3f0bad7e77 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とーすと | 作成日時:2020年7月5日 17時

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