静寂の鷹【ハイキュー】

後日談 ページ17

あの結婚式乗り込み騒動からはや１ヶ月。私はバレーをまた始めた。雪成君の配慮もあって私は練習を怠ってはいなかったのだけど…やっぱりプロとなるとそうはいかない。



最近はシュヴァイデンアドラーズというチームに所属が決定し、懐かしの月バリには【静寂の鷹 5年の時をへて復活！！】と大きな見出しにされて恥ずかしかった。



そしてもうひとつ、以前なら何でもなった今日この日。


今から私の特別な日になる。



バージンロードを父と並んで歩く、まさか人生で2回も歩くと思わなかった。



「A、綺麗になったなぁ……母さんそっくりや」


「そうかな？そんな感じ全然せぇへんけど」


「細かいことはいいの！！ほら、旦那さん待たせない！」



やっぱり父は茶目っ気が多い。ぷりぷり怒る姿もやっぱり愛らしい。




「ごめんな。今度こそ、幸せになんなよ」




不意にそんな声が聞こえた気がした。父の背中が全てを語っているが見なかったことにしておいてあげよう。



前にテレビ局がいたのもあってか、今回も記者やテレビ局の面々が揃っていた。


さすがに公でする訳にはいかないと思っていたが、侑が「どうせ死ぬまで俺と一緒なんやからチューのひとつくらい全国に見せつけといた方がええわ」と強引に押し切られた。




＿＿＿良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、



病める時も健やかなる時も、




共に歩み、他の者に依らず、




死が二人を分かつまで、愛を誓う




神聖なる婚姻の契約のもとに、



誓いますか？





＿＿答えはYES以外にあるのだろうか。



「「はい」」




今日この日、一生の幸せを私は手にした。


この幸せを噛み締めながら二人で歩いていく。



今日も元気な鷹が、二頭宙を待った。

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