喧し豚。【ハイキュー】

7本目 ページ9

悔しいもんは悔しい、表彰式は必死に涙を堪えて耐えた。


準優勝、稲荷崎高校。


その言葉が重たくのしかかって、結局１ヶ月ほど前に宮侑に言われた通りになったのがさらに悔しくて。



インタビューもかすれたような感想しか答えられなかった。




そろそろ帰るため体育館を出ようとした時だ。ふと、誰かがいるのが見えた。



「北さん…」


「鷹刀か。最後、惜しかったな」


「最後は私のミスです。私があの時あと1秒でも早く動いてれば＿」


「終わった事今更後悔してもどうにもならんで」




言われた言葉はきついけど確かに正論。そんな事思ってもどうにもならんのは自分でもわかっとる。




「そんな無理して耐えんくてもええ、泣きたい時は思いっきり泣け。悔しいんやったら正直に悔しいって言え」



頭にポンッと置かれる手。今まで耐えてきたはずの涙がボロボロとこぼれて止まらない。




「うっ……きださん……悔しいです…絶対勝つって言うたのにッ！！」



「そうやな、よう頑張った。お前がバレーに真剣なんはみんなよう知っとる」




小学生みたいにわんわんなく私に北さんは黙ってそばにいてくれた。こんなに泣いたのはいつぶりだろう。それぐらい悔しかった。

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