喧し豚。【ハイキュー】

31本目 ページ33

「…」


「…」



気まずい。


この前一悶着あったって言うのもやけど、私は絶対悪ない。常に全力って言うスローガンを掲げとるうちらが、ましてやレギュラーのセッターがそんなんやったらダメに決まっとる。



「あ…」


「キャプテン、ここのサーブどうした方がええですかね？」


「それはな…口で説明するのムズいからやった方が早いわ。百合が多分これに近いの打てた気がするからやってみよか」


「ウス」




りんちゃんの声を無視してキャプテンに歩み寄ってく。今更手抜きセッターと話すことなんかない。


悲しそうなりんちゃんの顔は今の私の目には止まらんかった。




＿＿＿＿


「今のトス低い、もっと高く上げろや」


「っ…… ごめん」


「はぁ…もうええわ」



久しぶりにりんちゃん以外の子にトス上げてもろたけど無理やった。まずタイミング合わんしスピードもテクニックも全然や。

ビビりながら上げとるし、迫力のないトス。


…打てても楽しない。



でもうちの部はりんちゃんとこの子以外にセッターがおらん。鴨ちゃん先輩もあげれるんやけど今はキャプテンと練習しとるからうちはスパイクが打てへん。


ふと、チラッと男子のコートが目に入る。



そこには綺麗にトスをあげる金髪チャラチャラセッターの姿も見えた。生憎今は男子も女子も自主練の時間。




これもスパイク打つためや……仕方ない。

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