29本目 ページ31
「あ、あんたには関係ないやん。うちもう帰るから」
立ち上がって帰ろうとすれば掴まれる腕。離してはくれんらしい。
「じゃあなんでそんな泣きそうやねん。鷹刀らしないわ」
「ほっとけや、何も分からんくせに」
また何かが湧き上がる感覚がする。ガッチリ掴まれた腕は埋まらない力の差で離せん。
ここにおりたくない。
そんなうちを見てため息混じりに呟く宮侑。
「…泣きたい時は泣けばええんちゃうん？」
「！」
インターハイの時北さんに聞いた言葉が頭をよぎった。その言葉はいつもみたいに嫌味とか棘のある言葉やなくて目を見開く。
気づいた時には視界がぼやけとって、耐えれず上から下にボタボタ落ちていった。
「もうどうしたらええかわからん…うちはこれからどうしたらいいんよ……」
「そんなん俺なんかもっとわからんわ」
「もっと北さんみたいに慰めろやアホ…」
「…お前なぁ」
止めようと思ってもボロボロ零れてジャージに斑点ができてく。その時、温かい何かが頭に置かれた。宮侑の手や。
でもその手を振り払う気にはなれんくて、妙に安心できるのが腹たった。
「ま、今回は特別に侑様が胸を貸してやっとるんやから感謝しいや」
「借りてないわボケ。いったん豆腐の角に頭打ってこい」
「なんでやねん、豆腐の角で死ぬほど弱ないわ！！」
「まぁ…ありがと」
「なんや偉い素直やな」
一言余計なんやって…なんて言う言葉は飲み込んで、ジャージで目を拭った。
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ゆお - こんなんめっっっっっっちゃ好きです 続きずっと待てます！！！ (2020年5月19日 21時) (
レス) id: 91fe275b3e (このIDを非表示/違反報告)
痩せたい - うわああああ好きですううううううううう (2020年5月2日 22時) (レス) id: 071f62e8cb (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 侑がめっちゃいい人に見えてくる (2020年4月30日 11時) (レス) id: 761bd8fac4 (このIDを非表示/違反報告)
とーすと(プロフ) - イチゴいちさん» そんな雰囲気が出ておりましたか……！！ありがとうございます。 (2020年4月17日 13時) (レス) id: 925e833cc0 (このIDを非表示/違反報告)
とーすと(プロフ) - ヒマナッツさん» ありがとうございます〜！！ご期待に添えるよう頑張ります。 (2020年4月17日 13時) (レス) id: 925e833cc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とーすと | 作成日時：2020年4月9日 22時
