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Asid



兄さんは無言で私の手首を掴んでどこかに向かってる



兄さんは一言も喋らない、


、、、私も一言も喋らない









ーーーーー

いつも私は兄さんの背中を見てた




褒めちぎられて『期待』される兄さんが"昔は"羨ましかった



私は女で生まれつき体が弱い


だから、私がちっちゃくてあの人達にまだ存在意義をしめせなかったそのときは、、、




まだ知らなかったから、『期待』という名の『呪い』を




そしてその『呪い』を知った時が『兄さんの付属品』としての私が生まれた時だった




 







昔は、私にはあの家に居場所がなかった


女で病弱、あの人達の理想とする子供とは真反対の子供だった





だから、

生きるために『私自身』を殺して、『兄さんの付属品』としての私が生まれた




私が小さい時は、兄という存在がいることは知っていたが、会ったことはなかった





けれどあの人達はいつも兄さんの話をして褒めちぎっていた


兄さんの話をしている時のあの人達の顔を見た時はとても驚いた





、、、あんな笑った顔はじめて見たから、、、、、、




だから私は『兄さんの何か』になれば私にも笑ってくれると、あの人達は愛情を向けてくれると、信じてた








、、、けど、実際には違った、


『兄さんの付属品』となった私は、確かにあの人達が兄さんに向ける笑みと同じ笑みを向けられた








その時よく分かった、、、

兄さんも『兄さん自身』を見てもらえてない、


『兄さんの才能』に笑みを浮かべてるんだって






そこからだった、、、



私も『期待』という名の『呪い』にかかったのは



兄さんと同じように地下の部屋になったのは






そこからは兄さんと話すようになった、




兄さんの隣は1番居心地が良かったから


兄さんは『私自身』を見てくれる



兄さんの隣だけは、『呪い』を忘れさせてくれるから




けど、同時に不安だった



私は『兄さん自身』を見れてるのか、


兄さんの隣に立つ資格はあるのか、



兄さんのために何かできてるのか















そんな私を見てか、兄さんを見てかわからないが


あの人達は残酷に告げた







多分10歳か11歳の夏




「A、夏休みはおばあちゃん家に行きなさい



おばあちゃん達はスポーツとか体とかのこと詳しいから


おばあちゃん家で勉強してきなさい」



嫌だったけど、また居場所がなくなるのはもっと嫌だった








そして、そこで会ったのが冴くんだった

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- この小説めっちゃ好きです!!!!更新応援してます!! (6月19日 18時) (レス) @page25 id: 10448bd20d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きな粉 | 作成日時:2023年4月2日 19時

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