目が覚めたらネオン=ノストラードだった。② (ページ5)

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タロットカード⑤ ページ5

クラピカが部屋に来たのはその後すぐだった。
私がドアを開けると「失礼します、」と言い部屋に入ってきた。
そしてドアが閉まるとクラピカは私の目の前にタウジングチェーンを垂らし銃を向けた。
「正直に応えろ、お前は何者だ?」
ーやっぱり...バレてた.....
こんな美少年でも銃を向けられるのはなかなかに迫力があって怖い。
反射的に両手をあげる、私の頭の中は半分真っ白だった。それでも私はセンリツに説明したのと同じように嘘偽りなく自分について喋った。
するとクラピカは軽くため息をついた。
「信じるのかよ、こいつの言うこと」
バショウが眉をひそめ私を見つめる。
「信じられない話だが嘘は言っていない...いや、半信半疑だ。頭を強くうっている、何らかの記憶障害かもしれない」
「別に今信じなくてもいい..ただ私が今から言うことが当たったら私と取引してくれるか?」
「取引?」
「...私を一般人の娘にしてほしい。報酬になるかわからないけどもし成功できたら..それあなたに返すわ」
私はそう言い、緋の目が入った箱を指さした。
その瞬間その場にいる全員に緊張感が走る。
「なぜ私に頼む?そのくらい勝手にすればいいだろう」
「あの父親の執着から逃げるのは大変なんだ。クラピカの協力がいる。手段は問わない」
「...」
「明日、ヒソカから連絡が来るはずだ。"幻影旅団の死体は偽物だ"って、交渉を考えるのも私を疑って殺すのもその後でも遅くないと思う。」
私がそう言うとクラピカは銃を下げた。
「....もしお前の言うことが全て真実で私の性格も全て把握した上でその話しをしているのなら覚悟はできているだろう?その連絡が来なければ無条件で緋の目を渡してもらう。」
クラピカにその鋭い眼差しで見つめられ、私は思わず固唾を飲んだ。もし、なにかの手違いで運命の歯車が狂いヒソカが連絡してこなければそそれこそ私の命はないだろう。そう思った。
未来を把握していても怖いものは怖い。
その日の夜は当たり前だが眠れなかった。相手が銃を持っていたとは言え17歳の少年に睨まれて怯む26歳...なんて情けないのだろうな。
私はベッドに横になると、目を閉じた。人間はこうして横になり目を閉じているだけでも疲れは取れるらしい。現実世界で眠れない時によくやっていた....気がする....。
心地のいい雨音につられたのか、いつの間にか私は深い眠りにつき夢をみていた。