薇仕掛けの殺人鬼【文豪ストレイドグッス】

4話…莫迦 ページ6

｢というわけで一葉さん、何か面白い仕事ある？｣

｢あ、あはは……ジャックさん、申し訳ありませんが私も少し用事が……｣


一葉さんにもそう笑顔であしらわれた。
どうしようか、このままじゃ執務室まで行って仕事を貰うことになる。
何で執務室は遠いのだろう。そう考えながら、出来る限り上目遣いになるように一葉さんを見上げこう云った。


｢ねえ、一葉さんは私の事嫌いなの……？｣

｢うっ……！｣


どうだ、必殺上目遣い。結構効果はあると思うんだ。だって首領にはギリギリこれが効く。
一葉さんは暫く無言で顔を被っていた後、急に顔に当てていた手を外し私の両肩を掴んでこう叫んだ。


｢私はジャックさんが傷付かないか心配なんです！私の心臓を苛めないでください！｣


私はその言動に面食らっていたが、数秒してから｢仕方無いなぁ！怪我しないでね！｣と叫びに返すように大声で云った。

……どうしよう、本格的に暇だぞ私。

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