「神の心人知らず」(捌) ページ14
「荒様」
呼ばれた荒の手が離れる。
戻った視界に映るのは、少し赤くなっているようにも見える荒の顔。
賭けをするつもりで、Aは真っ直ぐに聞いた。
「恋人になってやる、というのは、本当に本心では無いのですよね?」
「冗談だと、言っただろう……!」
「……はい。分かりました」
「……!?」
憑き物でも落ちたのかというくらい、さっぱりした表情でAが笑うので、荒は思わず狼狽する。
気持ちの切り替えが上手いAは、自分で自分に暗示をかけた。
荒はAを恋愛的に好いてなどいない、荒本人がそう言うのだから間違いない、と。
結局は口に出した言葉こそが、受け取った者にとっての本音になるのが道理。
Aはこれ以上、荒のことで心を掻き乱されるのは御免だったのだ。
このままでいると、陰陽師としての役割に支障をきたすからである。
「失礼致しました」とAは深々と礼をしてから、仕事場に向かった。
その足取りはどこか軽やかに感じた。
「……馬鹿者が……」
恨めしそうに荒は呟く。
気がついている癖に何故か認めてくれないAに対してではなく、天邪鬼な自分に対してだ。
……冗談だと言ったのが冗談だと素直に言っていれば、結果は変わったのかもしれない。
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荒はデレたからなのかなんか知りませんが積極的になってきた、みたいな感じです……( ・ _ ・ )
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イズモ(プロフ) - 蒼羅さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります(о´∀`о)荒様はかっこいい!!笑 (2018年6月20日 8時) (レス) id: 2950d60cf9 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羅 - 荒様格好いい!!この小説読んで荒様のイメージが変わった(´V`)♪続き楽しみにしてます!!更新頑張って下さい!! (2018年6月19日 22時) (レス) id: 6ae6ae8c8c (このIDを非表示/違反報告)
イズモ(プロフ) - 美八さん» ありがとうございます!!もう少しだけお待ちください! (2018年6月14日 12時) (レス) id: 2950d60cf9 (このIDを非表示/違反報告)
美八 - 私は、この続きが気になっているのでお待ちしております! (2018年6月14日 7時) (レス) id: 008655f029 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イズモ | 作成日時:2018年5月13日 21時