想いの終着点II (ページ2)

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悪戯心と好奇心ページ2

今思えば、それが神様の悪戯心を刺激してしまったのかもしれない。

事が起きたのは一学期の中間テストの直後。

春荒が過ぎ去り、桜色は色を潜め、代わりに青葉が顔を出すようになった時期だ。

早々に行われた席替えが影を落とす。

不破「えーと、Aさんであってる？」

『…はい、合ってます』

不破「よろしく、俺のことは不破でもふわっちでも何でも良いから！」

『(爽やかだ……)』

あれだけ女子生徒に人気が在るのも頷ける。

それでいて男女問わず好かれているのだから凄いものだ。

背中に刺さる視線には気付かないフリをする。

友人は居なければ、愛想も何処かへ行ってしまった私。

そんな人間が学校の人気者と隣の席。

一体何の少女漫画の筋書きだ、と思うかもしれないが、私にはそんなつもりは毛頭ない。

隣の席、というだけでこれ程視線が痛いのだ。

更に距離が近付くなどということがあれば、何かしら支障が出てくるのは目に見えている。

次の席替えは期末後…ということは夏休みの後か。

中間が終わったばかりの今からでは道程は長い。

この席を引いてしまった自分のくじ運が恨めしい。

私は恨みがましい目で、くじ引きの紙を見つめた。

「ふわっち、駄目だよ！！」

不破「んぁ？何が？」

「Aさん！あの人に優しくしても意味ないよ！！」

不破「なんで？なんかやばい噂があるとか？」

不破「俺は今日初めて喋ったけど、前から“高嶺の花”だーって言ってる奴ら見かけたことあるし」

不破「喋った感じ、あんま悪い人には見えんかったけど」

「ちょっと綺麗なだけ！！」

「絶対あっちから話しかけて来ないし、友達一人も居ないし」

不破「ふーん…」

不破「そーいえば俺気になってたんだけどさ、Aさんって部活何してるん？」

「部活？」

不破「そうそう、授業中以外全然姿見かけないし」

「何だったっけ…」

「確か美術部じゃない？美術部の部長と話してたの見たよ？」

「美術部って、あの廃部寸前の？」

不破「…美術部かぁ」

「え、ちょっとふわっち、あんな奴と仲良くなりたいとか考えてるんじゃ…」

不破「考えてないよ、ぜーんぜん、そりゃもう」

不破「ちょーっとだけ、気になっただけやから」