少女は彼と再び出会いました。1 ページ15
「……というわけで私がののちゃんの幼なじみです!」
「何がというわけでだよ! 説明全くしてないじゃねーか!」
やっぱり誤魔化せなかったか。
内心舌打ちしつつも口を開く。
「だからー、今日ののちゃんに三人のこと紹介してもらうから、午前中にあったときも私赤城君のこと知っていたんだってば」
……まあ間違ってはいない、かな?
「じゃあまたねっていったのは……」
はっとした表情で。独り言のように。赤城君は呟いた。もしかしたら本当に独り言なのかもしれないけど。
「うん、今日また会うって知ってたから」
私がそう説明のようなものをすると赤城君の隣に立っている白馬君が「あっ」と顔をあげて私を見てきた。
何だ。文句があるなら口で言ってみろ。
とはまさか言えないし。
「何? 白馬君?」
「あの、もしかして輝っちが言ってたのって……えと」
そこで口ごもる白馬君。何だと思い考えにふけること数秒。一つの答えにたどり着く。
あぁそっか。名前言ってなかったしね。
「あ、えと佐々木Aです。赤城が言ってたのは多分私じゃないかな。まあ、よろしく」
そういって微笑み返すと白馬君は顔を赤くして一通りあわあわとあわててそしてぼそっと、
「よ、よろしく。えぇと佐々木……て、うわ!」
お、抱き着くとさらに白馬君の顔が赤くなった。
「可愛いっ! 照れてる白馬君可愛いっ! あ、名前呼びでいいよ。私もそのうち凌君で呼ぶようにするからさっ」
「え、え、えぇ!?」
混乱したのか漫画のように目がぐるぐる回っている白馬君。そんな白馬君を私を見てののちゃんは苦笑いを浮かべた。
「Aちゃんにとってハグは挨拶みたいなものなんですよ。大人しくしてれば結構可愛いのに……蓋を開けるとただのセクハラしてくるおじさんみたいな性格で」
「なんか輝っちに聞いた話と全然違うんだけど!」
「赤城君がなんていったか知らないけど大丈夫、抱きつくだけだから。あと頭撫でたり腰さわさわしたりいじり倒したりするだけだから」
「全然大丈夫じゃないよえとA!」
「あ、いじり倒したりっていうのはそのままの意味だから。いじって倒す。倒しちゃう。性的な意味でってあとに続いたりしないから。安心して」
「前者のほうがたち悪いよ!」
「え……? あの、ごめんなさい。私、え、S……Mとかちょっと……」
「そういう意味じゃなくてーっ!」
ふむ、やっぱ反応が面白い子だな。白馬君は。
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向日葵 - 消さないでください。また、小説書いた下さい。 (2016年1月9日 18時) (レス) id: 898c190cdc (このIDを非表示/違反報告)
リル(プロフ) - けさないでください!! (2014年11月12日 18時) (レス) id: f92683cf2c (このIDを非表示/違反報告)
すもも - お、終わってしまうのですか…|ω;`)この小説大好きで、ずっと楽しみに待っていたのでとっても寂しいです…(_ _lll) (2014年8月21日 22時) (レス) id: ae79c4b325 (このIDを非表示/違反報告)
らびちゅん(プロフ) - 見捨てませんよw (2013年12月1日 20時) (レス) id: 96a86579b9 (このIDを非表示/違反報告)
餅花(もちばな)(プロフ) - らびちゅんさん» お世辞でも嬉しいです>< 受験生ということで中々更新できませんがどうか見捨てないでくださいw← (2013年11月25日 17時) (レス) id: 5f0116911a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:餅花 | 作成日時:2013年2月19日 19時