彼の世に嬢の亡骸 霊夢 ページ13
やっと着いた……この奥にいるのかしら。
「あら〜、貴女が新しいお客様ねぇ〜」
奥から女性の声が聞こえてきた。間違いなさそうね。
でもなんだろう、嫌な予感がする……。
「あんたが異変の元凶？まぁ見たらわかるけど」
私は少し睨みながら答えた。
「勝手に人の庭に入っていちゃもんつけないでほしいわねぇ。
あなたは…見たところ人間ね、お花見かしら？」
ピンクの髪のやつが答えた。多分、騒霊三姉妹が言っていた『亡霊の姫』ね。
「私は神社の桜でお花見するの。春を独り占めしてる霊を懲らしめに来たのよ」
「それは困ったわね。…… でも残念ね、もうすぐ満開になるわ」
「ここはもう十分に春じゃない。これ以上に何をしようっていうの？」
「この程度の春じゃ、この桜の封印が解けないのよ。
満開になると同時に、何者かが復活するらしいの。あなたが持っているなけなしの春があれば本当の桜が見れるわ……蘇生する何者かのオマケつきでね」
「さて、冗談はそこまでにして……幻想郷の春を返して貰おうかしら。」
私は札を構えて身構える。
「花の下に還るがいいわ、春の亡霊!」
「花の下で眠るがいいわ、紅白の蝶!」
そして始まった弾幕ごっこは、お互い一進一退の状況が続いていた。
この程度じゃ負けてらんないし、私も出し惜しみなく行きましょうか
「神技『八方龍殺陣』」
「あら強気ねぇ、じゃあこっちも…亡郷『亡我郷 -道無き道-』」
相手も強力なスペルカードを使ってきたみたいね……これは、相殺できるか心配だわ……
「さあ、まだまだ行くわよ！亡舞『生者必滅の理 -死鬼夜行-』」
うっ、なんて力…流石冥界の姫。なんとか凌いだけど、次が来たら厳しいかも。
「次はこっちの番、夢符「封魔陣」」
「おっと、危なかった。……それなら、こちらからはこれでどうかしら！」
お返しのつもりでスペカを使ったけど、いたちごっこが続くだけ。
…これで終わらせる。
「霊符『夢想封印･散』!!!!!」
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作成日時：2021年11月28日 20時
