5話 〜宇髄side〜 ページ7
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「んま…。」
みたらし団子を一口食ったAは、派手に幸せそうな顔をしている。
「まさか、本当に奢ってくれるとは思ってなかったワ。」
『お前が奢れって言ったんだろ。』
そうだけど、とAはまたみたらし団子を口に含む。
「…なァ、竈門とか言う兄妹どう思う?」
幸せそうな顔から一変、真面目な顔で聞いてくるA。
これが、Aの凄ぇ所だと思う。
一瞬で空気がピリつきやがった。
『…どうって言われてもなぁ。』
「天元は賛成なのか?」
『な訳ねぇだろ。』
だよな、と少しホッとした顔をした。
「俺は見てなかったけどよ、天元は見たンだロ?妹鬼が実弥に噛み付かなかったの。」
『あぁ。不死川の稀血に耐えてソッポ向きやがった。』
「…たまたまだよ。人を喰わねェ鬼が居てたまるかヨ。」
この俺様でも恐怖を覚える顔で空中を睨む。
派手に整った顔をしているからこそ、恐ろしさが増している。
『ま、今はそんな事忘れて食えよ。俺様が奢ってやってるんだぞ?』
「…だナ。」
『派手に美味そうに食えよ!』
ニカッと笑ってやれば、何時もの顔に戻った。
「くれって言ってもあげねェからナ。」
『要らねぇよ!』
笑いながらみたらし団子をまた食う。
「あー、まじで美味い。」
にしても、本当に美味そうに食うよなぁ。
『…俺に一口くれ。』
「なっ!?あげねェっつったロ!」
みたらし団子を背に隠したA。
その背後に、不死川が立っていた。
『あ。』
「ン?」
実弥「ん、ご馳走さん。」
Aは勢い良く振り返る。
「ッああっ!!何食ってンだヨ!実弥!」
実弥「うるせェなァ。いちいち騒ぐなやァ。」
不死川は耳を塞ぐ。
「ッお前がッ!俺の!みたらし団子!食ったからだろォがァッ!」
Aは不死川に飛び掛り、首を腕で絞める。
実弥「ッ、おまッ、おいッ!」
不死川は腕を離そうと藻掻く。
Aは絶対離さないと言わんばかりに不死川の腰に脚を巻き付ける。
俺はそれを眺めながら、茶を啜る。
実弥「ッ、てめッ、茶ァ飲んでねェで助けろやァ!!」
不死川の顔が青ざめて来たので、流石に止めた。
『A、どうどう。』
「ガルルルル…。」
実弥「ッ、はァッ!死ぬかと思ったわァ。」
不死川は、金平糖が入った缶をAに差し出した。
実弥「これやるから許せェ。な?」
「…今回だけだぞ。」
Aの機嫌は治った。
……チョレぇな、A。
Aはその後、風呂に入りたいと帰って行った。
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星空海月(プロフ) - 咲楽帝さん» ありがとうございます!頑張りますね!またコメントいただけると嬉しいです! (2021年12月13日 19時) (レス) id: 8e029f144e (このIDを非表示/違反報告)
咲楽帝 - え、面白いんだけど。え、どうやったらそんなのかけるの。えと。とにかく応援しています!ファイトです! (2021年12月13日 17時) (レス) @page3 id: 4588060cb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星空海月 | 作成日時:2021年12月13日 16時