好きな子の胸を触ってしまった。【赤葦京治】

事故に遭ってました。32 ページ33

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「 おっす金チャラ先輩 」



軽く頭を下げると、今まで体育館に片足を踏み込む形で固まっていた金チャラ先輩が、体育館の中へ入る。



「 なんで巴チャンがここに？ 」



「 金チャラ先輩ってバレー部なんですね 」



「 俺の話聞いて？ 」



金チャラ先輩の質問をさらっと無視してみる。

そして「 この人誰？ 」という表情を浮かべるAに金チャラ先輩の紹介を。



「 この人は金チャラ先輩。えーと、名前は忘れた 」



「 オイ。……えーと3年の木葉です、よろしくネ栗山チャン 」



「 はっ、はい！よろしくお願いしますっ 」



ぺこっと頭を下げるAに、にこにこ笑顔で対応する金チャラ先輩。

次の瞬間、目線がこちらへ。

「 なんでここに？ 」って感じの顔。

アンタなら分かるでしょ…、察してくださいよ。


あたしは目で訴える。

すると、金チャラ先輩はハッとした表情になったや否や、ぐっと親指を立てた。

…向こうでも何かしてくれんのかな。

なんて考えていると、ドリンクを作りに行った雀田さんと白福さんが戻ってきた。



「 おまたせ〜 」



「 もうすぐで休憩時間だからねっ、Aちゃんっ？ 」



「 ほほほほほ本当に、わわわわわ私がっ……！？ 」



Aがそう言った瞬間、時計を見ていた白福さんがピーッと笛を吹く。

その音を聞いた部員達はぴたっと練習をやめ、あたし達の元へ。

あたしはドリンクを持ち、カタカタと震えるAの背中を叩く。



「 頑張れっ、A！ここが正念場だぞ〜？ 」



「 うぅ… 」



頑張って距離を縮めろっ、A！







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