好きな子の胸を触ってしまった。【赤葦京治】

事故ってました。28 ページ29

.







「 まままままじで言ってんの…？ 」



「 大まじだよ！！こんな時に嘘ついてどうすんだ！！ 」



声のボリュームを最低限にしながら、コソコソ話す俺達。

傍から見たら、ただの変人であろう。



「 嘘だろ…？昨日振り向かせるとか言ってたけど、ガンガン振り向いちゃってるじゃんか…！！」



「 振り向かせる？ 」



「 あ、あぁ、こっちの話だから… 」



栗山チャンは赤葦のこと振り向かせる宣言してたのか……

残念なことに赤葦はもう君のことガン見してるんだよなぁ…



「 ってか結構すげぇ状態だぞ…！！あいつら完全に… 」



「「 両片思い… 」」



うわぁ、少女漫画でしか見ない展開に、俺達は立ち会ってしまったぞ…！



「 緊急作戦会議だ巴チャン…！！ 」



「 お、おう…！ 」



俺の言葉に大きく頷く巴チャン。



「 どうすれば二人は恋人同士になれるか…ってかまず、どうすれば二人はお互い両思いってことに気がつけるか、だな！！ 」



「 え？あたし達が言えばいんじゃね？両思いだよって 」



さっきまで協力する気満々だったのに、急に適当だな！！



「 その考え雑すぎ！！お前恋愛経験ねーの！？ 」



「 恋したことない。恋愛相談されたことない、ってか友達Aしか居ない 」



「 嘘だろ！？お前一応JKなんだから頑張れよ！！俺が二人目の友達になってやっから！！ 」



「 は？別にお前と友達なっても嬉しくないんだけど 」



…と、そんな会話を交わしている内に、昼休み終了のチャイムが鳴る。



「 やばい、Aにメロンパン買ってたんだった…！ 」



「 やべぇ、赤葦におにぎり買ってねぇ…！ 」



「「 じゃ、また！！ 」」



作戦会議と言っておきながら全く話は進まず、お互いバタバタしながら走っていった。



△▼△



一方その頃、お昼ご飯到着を待っている二人は。



「 ( 遅いなぁ、ゆっちゃん……もしかして変な人に声かけられたとか…！？ ) 」←大体合ってる○



「 ( おにぎり買うのにこんな時間かかるか…？きっとそこら辺の女子ナンパしてんだろうな ) 」←大体合ってる気がする○



互いの友人が、友人の両片思いについて緊急作戦会議を行っていたことなど知るよしもない。







.

事故に遭ってました。29→←事故ってました。27

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す