全力で、逃げろ！【ヒロアカ】 (ページ9)

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逃げろ！9 ページ9

「轟君おこなの！？ダメだよ爆豪君みたいにならないで！」

轟「別に怒ってねぇよ。ただイラついてるだけだ」

「それは怒っているという類いになるのでは？」

轟「…」

あ、やっべ。なんか更に怒らせちゃったかも。さっきよりも顔が険しくなった……よし、逃げよ。

「ん！？何あれ！！」

「「？」」

適当に轟君の後ろを指さした。まぁ何も無いけど。そうして後ろを振り返って気をとられているうちに、全力で走って逃げた。

…

…

…

緑谷side

緑谷「と、轟君…」

水波さんは、気付いた時にはもう走り去ってしまった。取り残された僕達2人の間には、重い空気が流れ出す。いや、重いと感じているのは多分僕だけで轟君は何も思っていないんだろうな…
でもこの空気を何とか変えないと僕が耐えられない。

轟「…緑谷」

緑谷「はい！？」

向こうから話し掛けてくるなんて思いもよらず、ビックリしてしまった。

轟「……俺は…どうしたらいい…？」

緑谷「！」

轟「どうしたら、Aを捕まえられる？」

消え入りそうな小さい声でそう言った轟君は、壁に寄りかかり額に手を当てていた。
なんだろう、こんなに取り乱すなんていつもの轟君らしくない。

緑谷「何かあったの？」

轟「……」

無言になる程の言いにくいことなのか、何も言ってくれない。そんなにも水波さんに対して怒っているのか、何が嫌なのか僕には分からないけど、ただ、勝手に人のテリトリーにズカズカ入り込んではいけないと思うからそれ以上は聞かないでおく。

緑谷「そっか、無理には聞かない。
言いたくなったら言ってくれればいいよ」

轟「いや、大丈夫だ言える…

実は＿＿＿＿＿＿」