全力で、逃げろ！【ヒロアカ】 (ページ30)

今日:115 hit、昨日:80 hit、合計:910,608 hit

逃げろ！30 ページ30

神様、これは何かの幻ですか？
だとしたらあなたは相当、私のこと嫌いみたいですね。でもいい夢みさせてもらったなと思って今日は感謝して寝ます。おやすみなさい。

「ありえないありえない！轟君はこんなことしないし、私のことが、す、すす好きなんてもっとない！これは幻だ！惑わされちゃダメ！」

頭を押さえ、しゃがんでブツブツ言う私。

轟「一旦落ち着け」

「あー早く覚めろ覚めろ！早く現実世界に戻って、何処からが幻だったか確認したい！」

これはきっと通り魔か誰かのイタズラか、幻覚を見せる個性をかけられたんだと思う。だってそうじゃないと、今の状況に説明つかないし。

轟「A」

「うるさい幻聴！！」

耳を押さえてぶんぶんと頭を左右に振る。
…っ〜！！せっかく勇気を出してした告白がっ！
水の泡じゃん！！

すると幻覚の轟君は何を思ったのか、しゃがんでいる私に合わせむこうも同じ体制になった。

「な、なに！？まさか催眠術でもかけようと！」

轟「…かけねぇよ。ちょっと落ち着け、な？」

ふわり、と優しく頭を撫でられた。
予想していなかった行動を取られ、どうすればいいか分からず動けなかった。

優しく、優しく撫でてくれる彼の手。その手は私に安心感を覚えさせた。
幻覚って分かってるのに抵抗出来ない。

…いや、したくないのかもしれない。

優しい手つきが段々と荒くなり、わしゃわしゃと髪を弄ってくる。「…髪が乱れちゃうよ」そう言うと「悪い、わざとだ」と言われ、2人して吹き出した。

…あぁこの手つき。この柔らかく微笑んだ彼の素敵な笑顔。知ってる、これは私の大好きな轟君だ。

轟「落ち着いたか？」

「うん、ごめんねなんか。初めから幻覚なんかじゃなかったね」

今までずっと一緒に居たから、側で見てきたからこそ分かった轟君のこと。

轟「大丈夫だ、それでA」

「うん？」

それを知ったからこそあなたを好きになれました。

轟「好きだ。結婚しよう」

「直球だなオイ」

ド天然で容姿端麗、それに加え文武両道という完璧な人間。可愛い所もあるし、こっちがドキドキされっぱなしになる程カッコイイ所もある。

そんな轟焦凍からは

どんなに必死に全力で逃げたとしても私は捕まっちゃうようです。