全力で、逃げろ！【ヒロアカ】 (ページ24)

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逃げろ！24 ページ24

私の家に着くまでの間、歩きながら全部話してくれた。轟君が私を追いかけていた本当の理由を。

今日のお昼、轟君に届いていたあのメール。
あれはエンデヴァーからの明日のお見合いの件だったようで。
今日中までに交際相手を連れてこなければ、その見合い相手と結婚させる、そう言われたそうだ。

轟「真っ先に浮かんだ相手はAだった
だから今日1日中追いかけたんだ」

「……」

轟「…A？」

ただただ痛かった。喉の奥が、心が。
轟君は私を、ただ1番の女友達としてしか見ていなかったんだ。だからこそ私を選んだんだ。

……告白する以前にフラれちゃったなぁ

それがわかった途端目尻が熱くなる。
なんとか嗚咽を漏らさないように、グッと下唇を噛んだ。

雄英に入った日から、私が１番そばに居た時間が長いと思う。だから、轟君は私を少しでも特別に見ている…なんて自惚れた考えを持っていた。

本当に…本当に自分に自惚れているただの馬鹿だった。恥ずかしさと悔しさが体中に巡り回っていて、今すぐにでも逃げ出したかった。

「…そう、だったんだぁ」

轟「あぁ」

ヤバい、もう涙のせいでが視界がぼやけていて今すぐにでも零れてしまいそうだ。
轟君とは目を合わさずになんとかやり過ごす。

轟「着いたぞ」

ハッとして前を見れば目の前には私の家が。

「…ありがとう轟君！それじゃあまた学校でね！」

少し声は震えていたが、泣きそうになっているのはバレていないと思う。轟君に顔を見られたくないから一歩前に出てこう話す。

そうして逃げる様に玄関の扉を開け

…られなかった。

轟「Aは泣くのを我慢する時、いつも下唇噛んでるよな」

「えっ…」

轟「ずっと見てきたから分かる」

轟君はゆっくりと私に近付いてきた。そしてクイッと軽く腕をひかれ、ふわりと優しく抱きしめられた。今度は後ろからじゃなくて、正面から。

轟「…俺との関係を勘違いされるの、そんなに嫌だったなんて…悪い」

え？