全力で、逃げろ！【ヒロアカ】 (ページ20)

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逃げろ！20 ページ20

轟side

Aが悲しい表情で俺を見つめたと思ったその一瞬の隙に、後ろに回り込まれた。…今の悲しい顔は何だったんだ、そう聞きたいが首を絞められていて上手く声を出せない。

体を必死に動かしなんとか逃れようとするが、綺麗に絞め技を決められているため、全く動かせなかった。くそっ…このままじゃ意識トんじまう、せっかく捕まえたのに。

「私の勝ちだね」

勝ち？俺から逃げきれたって思ってるのか？

轟「…っ…それはっ…どう、だろう…な？」

「へ、どういう意味…」

麗日「Aちゃ、ん」

飯田「今行くぞ！轟君ーー！！」

目の前から凄い勢いで飯田が麗日を引っ張りながら走ってきた。飯田の速さについていけないのか、麗日の顔は死んでいる。

もし、Aが俺から逃げてしまった場合、3人が先回りしてもう一度捕まえるという作戦にしていた。今の状況とこの作戦とは少し違うが、あらかじめ指定された位置から2人が来てくれたのだろう。この場に出てきてもらって、本当に助かった。

「お、お茶子ちゃんと飯田君！？」

動揺している隙にAから上手く離れる。
そして、俺と入れ替わるように飯田と麗日が飛び出し、Aに近づく。

轟「…俺の勝ちだ」

麗日がAに触れ、個性を発動させた。

「え、は！？なんで！？お茶子ちゃん！！」

足をじたばたさせているが、地面に足が着いていないため無意味な行動になっている。

麗日「ごめんな〜Aちゃん！許してね！」

「えぇ！？い、飯田君！まさか君も、私を裏切るの？私が炙りにされてもいいって言うのー！？」

飯田「水波君すまないな！」

「そんな！委員長！？」

「轟君2人になに吹き込んだの！」と怒るAを無視して手を握り引っ張っていく。

緑谷も途中から合流したが、3人にはこれ以上迷惑をかけないためにも礼を言って駅まで送っていった。麗日にはしばらく個性は解除しないでくれと伝え、解散となった。

…本当にありがてぇ、3人には感謝しきれねぇな。