全力で、逃げろ！【ヒロアカ】 (ページ17)

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逃げろ！17 ページ17

轟side

「蕎麦美味しかったねー」

麗日「でしょ？」

蕎麦を食べ終わり5人で店を出る。よほど美味しかったのだろう、Aから幸せオーラが出ていた。蕎麦の良さを分かってもらえたことが嬉しくて、自然と口角が上がった。

緑谷「じゃあ僕等は電車で帰るよ」

飯田「また明日！轟君水波君！」

麗日「気をつけてねー」

3人とも俺に向かってグッと親指をたてた。あと少し、頑張れとエールを送ってもらったみたいだった。
ここにAを誘導してもらった事への感謝と、絶対に成功させるという意味を込め俺も親指をたてた。

「…ちょっと待って、轟君は？」

轟「この近くだから歩いて帰る」

そう言うとAは焦り始めた。「やっべっぞ」とか言いながら青い顔をして3人に近づいていく。…どうしたんだ？

「…あ、あー！私もこっち方面だからここでお別れだねﾄﾄﾞﾛｷｸﾝ！」

轟「何今更嘘ついてんだ」

いつも俺と一緒に下校してたじゃねーか。流石に騙されるわけがねぇ。

轟「ほら、一緒に帰るぞ」

「うぅ…なんか怖いから嫌だ！！」

轟「あ」

ダッと走り出され、またも逃げられてしまった。

…くそ、相変わらず逃げ足だけは速い。Aは身体が身軽で、すばやく移動できるからすぐ見失ってしまう。前に、人混みに紛れてから3秒ほどで、俺の視界から消えてしまったことがあった。

早くしないと俺の人生が変わってしまうのに、もう既に見失ってしまった。ここは駅の近くで、沢山の人が歩いている。こんなところでAを、俺は見つけられるのか…？

…っ、出来るの、か……？

頭が真っ白になった。どうする、どうすれば…？いつもなら対処法なんてすぐに思いつくのに、こういう時に限って全く出てこない。早く、早くしないといけねぇのに…！

どうすればいいか分からなかったその時

緑谷「見失わないうちに早く追いかけよう！」

轟「！」

飯田「水波君を今日中に捕まえないといけないのだろう！？さぁ早く！」

そう言ってくれた。
…なんだ、最初から悩む必要なんてなかった。
こんなに心強い仲間がいるじゃないか。3人は協力してくれると言ってくれた、なら初めから頼ればよかったんだ。

轟「…すまねぇ、ありがとな」

麗日「大丈夫！絶対捕まえようね！」

俺達も急いで走り出し、Aの後を追いかけた。