全力で、逃げろ！【ヒロアカ】 (ページ13)

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逃げろ！13 ページ13

『黄色い線までおさがり下さい』

「お、やっと来た」

走って駅まで来たからか、いつもよりも早く着きすぎてしまった。だから暇潰しにイヤホンをつけて音楽を聴きながら電車を待っていた。

スっと扉が開き乗り込むとかなり混んでいた。席も空いていなかったため、仕方ないから端っこに移動し、壁に持たれてスマホを適当にいじって時間を潰す。

…あ、そういえば写真のフォルダ整理しておかないと。写真ばっかり撮ってるから、容量がすぐ一杯になっちゃう。

何を消そうかいろいろ探っていると、ある1枚の写真に手が止まる。それは、そっぽ向いてる轟君の写真だった。
あ、これは確か……私が頑張ってお願いして無理に撮らせてもらったやつだ！かなり嫌だったのか、ちょっと不機嫌そうな顔してる…

「…クス」

思わず笑ってしまった。…懐かしいな、初めの頃は全然今みたいに親しくなかったし、むしろ嫌がられてたっけなぁ。

私は轟君を一目見た時から好きだった。いわゆる一目惚れってやつです、恥ずかしながら。それから猛アタックして仲良くなった。向こうは全然私の気持ちに気付いてくれないけどね…

…

…

思い出にひたっていたその時。
いきなり私のスマホが結構大きい着信音を発した。私も周りにいた人もびっくりして、あっという間に私が注目の的に。
恥ずかしくて俯きながら「すみませ〜ん」と謝り、拒否ボタンを押す。

…轟君からだ、でも今はでられない。
公共マナーはちゃんと守らないとね、電車降りてから後でかけ直そう。

緑谷「水波さんいたよ！」

麗日「電話の着信音が大きくて、すぐみつけられたよ！」

飯田「ラッキーだったな轟君！」

轟「あぁ」