全力で、逃げろ！【ヒロアカ】 (ページ2)

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逃げろ！2 ページ2

緑谷side

水波さんが完全に隠れてからすぐに轟君が来た。

轟「……ここにA来なかったか」

ゾッとした……
いつもの轟君の声より幾分も低く、まるで怒っているような声色だったからだ。

緑谷「トッ、ﾄﾄﾞﾛｷｸﾝ！…き、来てないよ」

やばい、声が裏返った！

轟「…そうか、もし来たら教えてくれ」

緑谷「う、うんっ」

よかった、怪しまれていないみたいだ。

轟「……ところで飯田と麗日は何やってんだ」

不自然に前で並んでいる2人を不思議に思ったのか、首を傾げている轟君。
まずい！轟君が2人に近づいていく！

あわあわと慌てる僕に対し、2人は冷静だった。
そして何故か、2人共右腕を綺麗に天井に向かって挙げた。

麗日「お茶子とー」

飯田「天哉のー」

「「デリバリーコント」」

麗日「本当は終わらない、夏休みの宿題ー」

緑谷「！？」

……何か始まった。
よくわからないけど、何か始まった。

麗日「じいさんや」

飯田「なんだいばあさん」

麗日「夏ですねぇ」

飯田「そうだな」

緑谷「………」

轟「………」

え

麗日「じいさんや」

飯田「なんだいばあさん」

麗日「夏ですねぇ」

飯田「そうだな」

緑谷「……」

轟「……」

いやそれさっき聞いた！
2人共何がしたいの！？それにこのコント全然面白くないよ！？

「…いやタイトル関係ないやないかーーい！」

この微妙な空気に、2人の間から割って入って来た水波さんが大きな声でツッコミを入れた。
そのツッコミはそのまますぎて、面白さよりも納得さの方があった。ナイスだよ水波さん。

…

…って、水波さん！？出てきちゃダメなんじゃ…

轟「いた」

「あ、しまった」

2人はダッと同時に走り、嵐のように去っていった。

緑谷「な、なんなの…？」

静まり返った教室で僕はポツリと呟いた。