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出張2日目。
あと何日かしたら頭痛も治まるやろ、と高を括っていた自分に、このバカ！と伝えたい気分だ。
「…ほんまに大丈夫か？」
『大丈夫っす』
「いや、無理やろ。代理呼ぶから帰って休暇取った方がええで。な？」
『……はい、すみません…』
初日から倦怠感はずっと残っていて、結局体調は改善せず、同行させてもらった先輩に迷惑をかける羽目になってしまった。
ガンガンと頭に響く痛みが走って、体温計が無いから分からないが、多分熱もかなり上がっている。
「もしもし、退勤時間にすみません＿＿＿」
そんなんじゃ電話も無理やろ、と代わりに本社に連絡を入れてくれている先輩を横目に、酷くやるせなさを感じてどっと疲れを感じる。
「＿＿＿はい、はい。失礼します」
『…どうでした？』
「明日の早朝から合流できるって。スケジュールも特に立て込んでるわけやないから、あんま気にすんな」
『ほんまにすみません…ありがとうございます』
それからなんとか交通機関をいくつか乗り継いで、やっとの思いで最寄り駅へ到着して。
正直立っているのもしんどいくらいではあるが、自宅までそう遠くない距離であるから、時々柵や手すりに掴まりながら帰路を辿って行った。
この時の俺は、多分人生史上一番と言っていいほど意識が朦朧としていて、足取りも覚束なかったと思う。
やから、見間違いかと思った。
俺と彼女の部屋から出てくる、見た事のない知らない男の姿。
しかし、近づけば近づくほどその部屋番号は間違いなく俺の住む307号室で。
『どういう…ことやねん、』
"じゃあ、また"
"うん。行けそうな時連絡する"
"あ、待って…最後に、"
彼女の声と、その男の声と。
そして、2人の影が重なったのを見て、サーッと血の気が引いていくのが分かった。
そいつがこちらへ向かってくるのがわかって慌てて階段の横に隠れて。
数分後、男が去ったドアの前に立ちつくしていると、中からカチャッと鍵を閉める音が聞こえた。
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ナ(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、初めまして。とても嬉しいコメントをありがとうございます！少しずつ更新していきますので、最後まで見守って頂けたら有難いです。 (2021年7月11日 23時) (
レス) id: db537413ba (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - はじめまして！すごく面白いです。2人の柔らかい空気が伝わってきて読んでてほっこりします。続きも楽しみにしています♪ (2021年7月11日 1時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナ | 作成日時：2021年7月1日 16時
