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「えっ、明日から？」
『そうやねん…相変わらず急なお達しやわ』
翌日。ハンカチを受け取るついでに藤井と少し駄弁っていく中で、それとなく出張について話してみると、思ったよりも驚いた様子で。
「大丈夫なんすか？その…体調」
『あー、うん。そのことなんやけど…』
藤井には少なからず心配はかけたし、浮気云々には特に触れず「実は彼女とちょっと気まずくなってたけど、話し合って落ち着いたところ」ということを伝えた。
「そうやったんや…でもなんか、まだちょっと元気ないっすよね」
『んー、わかる？あんま寝てなかったから悪影響出てるなあって感じ…』
手とかもちょっと熱いねん、と両手を差し出すと、何故か少し躊躇って小指だけきゅっと摘まれた。
「…あー、熱いっすね」
『いや、絶対今のじゃわからんやろ(笑)』
「大丈夫なんすか？熱っぽいなら尚更無理しない方が…」
『平気…やと思う。高熱がある訳やないし、何しろ若手社員に断るっていう選択肢はないからな』
別に体調不良で辞退してはいけないなんてこともないだろうが、好ましくは思われないだろうから。
それに、今はガツガツ働いていたい気分やし。
「…ほんま、無理は禁物っすよ」
『大丈夫！なんとかなる！』
「なんの自信っすか…マジでキツかったら我慢しないでくださいね」
ぽすっと頭を手を乗せられて、さらっと撫でられてから手はすぐに離れた。
『おーい、俺年上なんやけど』
「背は俺の方がだいぶ高いんで…」
『おい、喧嘩売ってんのか(笑)』
年下に頭を撫でられるなんて何年ぶり…いや、今まであったやろうか。
でも、不思議と不快感はなくて、むしろふわっと暖かい気持ちになる。
『…ありがとな、頑張ってくるわ』
「忘れもんとかせんように」
『藤井に言われたくないセリフやなぁ…』
それから「じゃあまた来週」と手を振って、自分の部署へと戻って、出張へ向けての準備を進めた。
…一応、解熱剤と頭痛薬は買っておこうかな。
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ナ(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、初めまして。とても嬉しいコメントをありがとうございます！少しずつ更新していきますので、最後まで見守って頂けたら有難いです。 (2021年7月11日 23時) (
レス) id: db537413ba (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - はじめまして！すごく面白いです。2人の柔らかい空気が伝わってきて読んでてほっこりします。続きも楽しみにしています♪ (2021年7月11日 1時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナ | 作成日時：2021年7月1日 16時
