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食欲よりも睡眠欲が勝っている今、なんとかして眠らないためにじっとスマホを見つめる。
いや、別に眠ってしまってもええねんけど。
自分から後輩誘っといて寝るのはちょっと…
と、なんとなくカメラロールをスクロールしていると、少し前に珍しく彼女と撮ったツーショットの部分で指が止まった。
「…その人、彼女さん？」
『え？あ、うん。そやで』
テーブルの上に置いて触っていたため、藤井にも画面が見えていたようで。
「彼女さん、仕事何してはるんですか？」
『えっと…通販サイトの会社で、事務仕事やってる』
「へえ。アパレルとかアクセサリー系の店員さんって感じの人に見えたけど…意外とバリバリなんですね」
『うん。仕事に生きる女って感じやで、まさに』
不意に撮られた写真だったため、画面の中の俺はなんとも間抜けな顔をしている。
それに藤井も気づいたのか、「なんすかこの顔」とヘラヘラ笑ってくるから、軽めに肩を叩いた。
「2人分の弁当作って、早起きもできて仕事もバリバリって。ほんまにしっかりした人やなぁ」
ぼそっと呟いた藤井。
かさりとコンビニ袋が手に触れて、今朝のことを思い出す。
藤井には、彼女が早出で弁当が作れなかった、と伝えたけど、実際は違った。
"あのさ。…しばらく、弁当ええわ"
"え、なんで？"
"最近忙しくて昼食えるか分からないんよ。せやから…必要になったら買う"
"…そっか、わかった"
疑惑が晴れないまま、彼女の弁当を食べる気になれるとは到底思えず。
そして彼女の方も、あの日から俺の様子が少し違っていることに、なんとなく気づいていると思う。
そんなわけで、ここ数日は同棲している部屋に帰るのも、朝起きるのも、あまり楽しみとは思えていなかった。
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ナ(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、初めまして。とても嬉しいコメントをありがとうございます！少しずつ更新していきますので、最後まで見守って頂けたら有難いです。 (2021年7月11日 23時) (
レス) id: db537413ba (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - はじめまして！すごく面白いです。2人の柔らかい空気が伝わってきて読んでてほっこりします。続きも楽しみにしています♪ (2021年7月11日 1時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナ | 作成日時：2021年7月1日 16時
