Peel off moss green【青×赤】

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社内一階に併設された広めの休憩所で、藤井と何度目かのお昼。



つい誘ってしまったが、実はそこまでお腹は空いていなくて、なんなら今すぐにでも眠りたいくらい。





というのも、桐山さんにあの事を言われてから今日まで結局ずっと頭を悩ませていて、昨日はプレゼンの資料作りが全く手につかずほとんど眠れていない。





気分の具のおにぎりがなかったらしく、結局お弁当を買って黙々と頬張っている藤井。



先週のドライブは、いい気晴らしをさせてもらったと思う。ほんっまに心ここに在らずやったのが、藤井のおかげで少し元の調子を取り戻せた気がするし。



あと、海鮮めちゃくちゃ美味かった。






「……食べないんすか？」

『んー、ちょっと、あんま腹減ってへんかったわ』

「なんですかそれ」





んははっと緩く笑う後輩。
引くほど綺麗な顔をしているくせに、当の本人は全く自覚がなさそうで、それがまた憎い所。




ドライブの日、藤井には言ってしまおうかと思った。



何せ俺がいつも通りではないことに気づいてくれたのは藤井の方やし、コイツならなんでも優しく受け入れて肯定してくれるんちゃうかな…とも思ったし。





でも、"彼女に浮気されてるかもしれない"なんて確証のないことで、後輩を困らせるのは嫌やった。




…それに、




「そういえばプレゼン、好反応やったんですか？」

『ぼちぼちやなぁ。追い込んだにしては上出来やったと思うわ』

「ほぇー。さすがっすね」

『やろ？もっと褒めてくれ』




なんとなく、こいつの前ではかっこつけたい自分がいて。







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