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『おやすみ』
ぱちんと電気を消して、先に眠ってしまった彼女に声をかけて、俺も布団に潜り込む。
小柄な彼女は、抱き枕のようなサイズ感で。
きゅっと腕の中に収めて、俺も目を瞑る。
"重岡、そろそろ結婚ってマジ？"
今日、突然同期に言われたその言葉。
"えっ？何の話？"
"いや、噂流れてんで。お前の婚期が近づいてるって…"
"ええ…そうなんや…"
噂は全くのガセ。
もちろん彼女のことは好きやし、責任持って大切にしていきたいとは思っている。
けど、まだ結婚とか、そういうのは…
『覚悟、足りてないんかなぁ…』
さらりと頭を撫でてみても、起きる様子のない彼女。
結婚しようとか、口約束はおろかそんな空気も特に流れたことはなかった。
ただ、大人になってから付き合うってことは、多少そういうことも視野に入れなあかんよな…くらいで。
彼女も多分、同じような考えやと思う。
『結婚…か』
俺ももう23。この夏で24になる。
若手社員とはいえ、年齢は着々と積み重ねてきている。
カレンダーを見るともう7月。
受験生のちょうどこれくらいの頃は、毎日学校の自習室に出向いて勉強していたっけ。
もちろんしんどかったけど…
"重岡くん、終わった？アイス買ったんで食べません？"
何故か、受験生でもない藤井も夏休み中ほぼ毎日自習室に通っていて。
俺が煮詰まる度に、あの手この手で元気づけてくれた。
あの存在は俺にとっては結構大きくて、藤井がいなかったら受験勉強もそこまで頑張れていなかったと思う。
…そう、ただがむしゃらに勉強して、遊んでいられる年齢はもう過ぎてしまった。
ちゃんと将来のこと考えて、シャキッとせなあかんなぁ…なんて。夜な夜なそんなことを考えていたら、ますます眠れなくなってしまった。
そんな時に届いた、1件の通知。
"重岡くん、もう寝てますか？"
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ナ(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、初めまして。とても嬉しいコメントをありがとうございます！少しずつ更新していきますので、最後まで見守って頂けたら有難いです。 (2021年7月11日 23時) (
レス) id: db537413ba (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - はじめまして！すごく面白いです。2人の柔らかい空気が伝わってきて読んでてほっこりします。続きも楽しみにしています♪ (2021年7月11日 1時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナ | 作成日時：2021年7月1日 16時
