遺品07 ページ38
20××年、6月、天気、曇のち雨。降水確率は87%…………とても重苦しい雲が私の任務を更に重くする。私は重い足取りの中専属先の場所へ足を運ぶ。
レイチェル「モリアーティ教授、ただいま参りました」
私は頭を下げる。今はモリアーティ教授が私の専属先のリーダーだ。3年前まで遺体解体班だった私の進級先はまさかの計画班だった。何か考え事をしていたであろうモリアーティ教授は複数の紙を置き、私を見た。
教授「やっと来たかい？少し待ちくたびれたよ」
レイチェル「申し訳ございません」
教授「冗談だよ、そんな真摯に受け止めないでくれた前」
レイチェル「…………」
教授「しかし、スノー大変だっただろう？誘拐されて死体解剖させられて、ボスもボスだと僕は思ってたんだ。ここに来てくれて感謝するよ」
レイチェル「…こちらこそありがとうございます」
教授「…立て続けに君には悪いお知らせかもしれないね」
レイチェル「なんなりと」
教授「今日から君は計画班だというのはご存知だね？知恵ある者が計画を立てる……ここはマフィアを動かす核となる所だ。つまり、それに担った知識と体力が必要だ。君に学力試験を渡したのは覚えているかね？」
レイチェル「はい」
教授「驚いたよ、まさか10歳の子供がパーフェクトだなんてね。あれは高校生レベルのものだというのに……皇族のあり方がとても怖いと身に感じたよ」
レイチェル「………………」
教授「ああ、すまない。話がそれたね、確かに君は大人に負けぬ知識を身に付けている。だからこれ以上に君の能力を飛躍する力を僕が教えよう。君のこれからの仕事に限らず、人生に役立てるはずだ」
レイチェル「人生…ですか……」
人生か……この永く暗い道に光が導くものなどあるのだろうか。きっとわたしにはわからない。私はもう後戻り出来ない。諦めて今の道を進むしかないのだろうか。遠い昔を思い出し胸が痛む。
レイチェル「…………」
教授「そう深く考えなくて良い。……そうだな。スノー君は誘拐されてここに来たんだと言ったね？」
レイチェル「はい」
教授「ならまずは護身術を身につけるべきだね。そうだ、それが最初だ。今度いい教師を用意しておくよ」
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作者名：抹茶の粉 | 作成日時：2019年3月24日 20時
